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川尻早人は、無人の市街地を走っていた。 右手には、蓄音機となるひそひ草を握り締めて。 戦いの音が草から聞こえて来なくなると、2度3度辺りを窺う。 誰もいないことが分かると、ふぅ、とため息をついた。 追手は来ないようで、少なくとも全力疾走を続けなければいけない訳ではないと分かった。 戦いの渦中にいた訳では無いのに、緊張が解けて、身体が急に重くなったのを感じた。 ここで休むわけにはいかないが、移動方法を走りから歩きに変え、息を整えることを優先する。 辺りは誰もいない。足音以外、音はまったくしない。 その先に見えたのは、杜王駅だった。 周囲が暗かったのもあり、杜王町の住民である彼でさえ、そうだと気付くのに時間を要した。 なぜなら、その場所は街の入り口の役割を完全に放棄するほど、壊れていたからだ。 この殺し合いが始まってまだすぐの頃、クッパが暴れたことで崩壊してしまったことを、彼は知らない。 だが、全てがこの駅と同様に壊れてしまった。そんな気分になった。 ――キア……り……。 ――そう………か……。 音だけしか聞こえていなかったが、2人の断末魔は、今でも耳に残っている。 パチパチと五月蠅い炎が、ノイズとなっていたことも覚えている。 直接見た訳ではないが、炎に包まれる彼らを想像し、背筋に悪寒が走った。 彼はこの殺し合いに巻き込まれる前に、人が爆死する瞬間を目の当たりにしている。 バイツァ・ダストの時と違い、もうチャンスは無い。 時間が巻き戻り、今度こそ死の運命から解き放つ。そのようなことはもう出来ない。 その事実を考えていると、彼の胸の奥を、建物を侵す白アリのように孤独が侵食した。 この殺し合いが始まってから、最初の数時間を除いて、ずっと彼は同行者がいた。 だが、今は誰もいない。 まだカインやミキタカ、守など自分が信頼できる者はいるが、どこにいるかは定かではない。 杜王町を脅威から救った少年と言えど、彼も人の子でしかない。 闇から身を護る超越的な力を、持っているわけでもない。 廃墟と化した街に、届かぬ太陽の光の中にいれば、憂鬱な気分になってもおかしくない。 もしかするとカイン達も、どこかで死んでいるのではないか。 あの仗助でさえこの殺し合いで生き残ることは出来なかった。 元からこの殺し合いに希望など無く、あるのは無意味な戦いの果ての死のみではないのか。 そんな風に全てを投げ出して、目の前の理不尽に膝を屈してしまえば楽になるのに。 孤独と闇はそんな考えを誘発させる。 しかし、それは許されなかった。 闇と影と破壊に覆われた世界の中でも、彼の心に秘めた黄金の精神は輝き続けていた。 吉良の第三の力により、爆弾にされた後でも、最後の一手まで諦めずに戦い続けた。 出来ることを全てやり、その果てにあの殺人鬼を倒すことが出来た。 この世界で自分が出来ることを全てやったかと聞かれれば、ノーと即答できる。 むしろ、シャークやヤンに守られてばかりだった。 鞄から残ったパンを取り出す。 まだ我慢できないという訳ではないが、今後いつ食事が出来るかどうか分らない。 早歩きをしながら食べるという、行儀も何もあったものじゃない行為だが、今は気にしている場合ではない。 ほとんど喉の奥にねじ込む形で食べ、喉に詰まらせないように水で流していく。 地元の人気ベーカリーである、サンジェルマンで買ったパンに比べると、お世辞にも美味しい物とは言えない。 だが、血糖値が上がったからか、少しだけ鬱屈とした気分が晴れた。 (まずは……) 市街地から出て、風景が草原に差し掛かった頃。 空を見上げると、遠くで何かが空を飛んでいた。 (何だアレ……鳥か?違うよな……) 暗くてよく見えにくいが、鳥など空を制する者がいない世界で、空を行く何者かは目に付いた。 鳥なき里の蝙蝠は、闇の中を飛び回っていてもその姿は注目される。 否、それは蝙蝠に非ず。 彼の父を殺し、父に成り替わった男の父親の写真だ。 それも意志を持ち、影で息子の暗躍を手助けしていた、吉良吉影に劣らぬ悪の凝集物だ。 最後の戦いで、仗助に居場所を暴かれ、自業自得な末路をむかえた。 だが、この殺し合いで息子と共に復活していてもおかしくない。 だが、その飛来物は彼と同じ、森へと向かっていたのに気づいた。 彼はそれが、既知の忌まわしき存在だということを知らない。 だというのに、急いで森へ向かい、誰かと再会せねばらぬ。そんな感じがした。 【D-3 草原 黎明】 【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 疲労(中) [装備]:なし [道具]:基本支給品(パン、水消費(中)) ランダム支給品0~1(武器ではない) ひそひ草×1@FF4 [思考・状況] 基本行動方針 殺し合いに乗ってない者を集め、なぜか生きている吉良吉影、およびスクィーラとクッパを倒す 1 森まで逃げ、カインにデパートで会ったことを話す ※本編終了後です ※名簿は確認しました。 ※ヤンから主催者が変わったという説を考えています。 Back← 092 →Next 091 幕間 Twin lights 時系列順 093 魔王の牙(前編) 投下順 085 破滅の足音1 疑心、悪鬼を呼ぶ 川尻早人 095 しかし、誰が四枚目のカードになるのか?
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アニメキャラ・バトルロワイアルGOにおける参加者名簿 作品名をクリックすると、それぞれが外部サイト「wikipedia」の該当部分へ移動します。 対象によっては原作版の項目であったり、ネタバレの要素が含まれているのでご注意ください。 6/6【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/○毛利蘭/○灰原哀/○安室透/○赤井秀一/○ジン 6/6【うしおととら】 ○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○引狭霧雄/○斗和子/○紅煉 6/6【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】 ○東方仗助/○広瀬康一/○虹村億泰/○岸辺露伴/○片桐安十郎/○吉良吉影 6/6【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】 ○三日月・オーガス/○オルガ・イツカ/○ビスケット・グリフォン/○アイン・ダルトン/○ガエリオ・ボードウィン/○マクギリス・ファリド 6/6【迷家-マヨイガ-】 ○光宗/○スピードスター/○ヴァルカナ/○らぶぽん/○美影ユラ/○ナンコ 5/5【おそ松さん】 ○松野おそ松/○松野カラ松/○松野チョロ松/○松野一松/○松野トド松 5/5【東京喰種トーキョーグール】 ○金木研/○霧島董香/○月山習/○ヤモリ/○真戸呉緒 5/5【オーバーロード】 ○アインズ・ウール・ゴウン/○アルベド/○シャルティア・ブラッドフォールン/○デミウルゴス/○クレマンティーヌ 5/5【うたわれるもの 偽りの仮面】 ○ハク/○クオン/○ネコネ/○オシュトル/○ヴライ 4/4【ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン】 ○ニンジャスレイヤー/○ダークニンジャ/○ヤモト・コキ/○シルバーカラス 4/4【ストライクウィッチーズ】 ○宮藤芳佳/○リネット・ビショップ/○サーニャ・V・リトヴャク/○エイラ・イルマタル・ユーティライネン 4/4【がっこうぐらし!】 ○丈槍由紀/○恵飛須沢胡桃/○若狭悠里/○佐倉慈 4/4【この素晴らしい世界に祝福を!】 ○佐藤和真/○アクア/○めぐみん/○ダクネス 3/3【ガールズ パンツァー】 ○西住みほ/○西住まほ/○逸見エリカ 3/3【THE IDOLM@STER】 ○天海春香/○如月千早/○星井美希 72/72 これ以下参加者以外の登場人物一覧 +開示する 【ゲームの主催側の人物】 4/4【うしおととら】 ○光覇明宗の僧A/○光覇明宗の僧B/○光覇明宗の僧C/○光覇明宗の僧D 1/1【迷家-マヨイガ-】 ○ダーハラ 1/1【おそ松さん】 ○イヤミ 【見せしめ】 1/1【うしおととら】 ○鏢 【意志持ち支給品】 1/1【うしおととら】 ○獣の槍 1/1【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】 ○写真のおやじ(吉良吉廣) 1/1【おそ松さん】 ○エスパーにゃんこ 1/1【がっこうぐらし!】 ○太郎丸
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まただ……モンゴルの騎馬民族が私のすぐ横で戦争真っ最中、とでもいうような耳に残るこのざわめき…。 極度の緊張から生まれるのか…あるいは恐怖から生まれる幻聴か……。 いずれにしても、この耳鳴りはしばらく止まないということは確かだ……。 ドドドドドド…… ゴゴゴゴゴゴ…… 眼の前に立ち尽くし、私を睨みつける小柄な20代男性……。 頬に十字傷があるが、イマイチ貫禄のようなものは感じられない。 よく見れば大量の冷汗まで…見せかけだけの気の弱い男のようだ。 だが、その眼から感じられる怒りは本物だった。 この男……スタンド使いだとすれば………。 「そういえば…自己紹介がまだ……よね?私は山岸由花子。」 山岸…そうだ、康一のガールフレンド……調べはついていた…。 何故忘れていたんだ……雰囲気が違って見えたからか? 『シンデレラ』に続けて女のスタンド使いは無いという私の思い込みか? 失敗だった…自分から地雷を踏みに行ったようなものだったのか…。 「俺様はよぉ…オメェーに殺された康一殿の一の舎弟、小林玉美だ! 今から……この名前を冥途まで持ってくか、一生脅えて過ごすか選ばせてやる…。」 そういって腹部に一発だけ蹴りを入れると、スタンドに襲われるのが怖いのかすぐ由花子の後ろへと距離を置いた。 クッ…対して痛くはないが、『ジャン・フランコ・フィレ』のスーツが……。 川尻の安月給で買うには少し値が張るというのに…。 この男……いや、『心を読む』『頭で考えていることを読む』スタンドという可能性もある……。 余り深く考えすぎるな……今は精神安定剤の効果に期待するしかない…。 「それじゃあ……アナタ、川尻浩作の奥さんを本当に愛している?」 川尻しのぶ…!まさか……いや、考えられないことでは無かったが…。 精神に動揺が走るのが分かる……だが、同時に体に変化がないことも分かった。 脈拍は正常……汗も察して大量に噴き出てはいない…。 問題は……この男がどこまで私の『嘘』を見抜けるか、だ…。 この状態、機械ならば見抜くことは出来ないだろう。 だが、相手はスタンド使い…心や精神に関連することも見抜くかも知れない……。 尋問とは相手の動揺を誘う為、強制的にイエスかノーのどちらかで答えさせる筈……。 質問に条件を出さないということは…好き勝手に言っていいということだ…。 余程の自信があるのだろう……だが、相手はあの小僧…康一にベタ惚れ……。 愛を否定すればこの場で八つ裂きにされてしまう…言うしかない……ッ! 「あ……愛している…彼女と自分自身さえ良ければ……どうでもいいって程…」 どうだ?通るのか…この『嘘』は……! 少し驚いたような顔をする二人、もしや…。 「本当なのね……素晴らしいわ、愛のない人間は生きるに値しない…よく分かってるわね。」 「嘘だろ……こいつ…殺人鬼の癖に愛だとぉ?」 通ったぞ…! 私は賭けに勝った! 後の質問もこの調子で切り抜けられるッ! 「これなら信用してもいいかも知れないわね…じゃあアナタのスタンド能力を教えて。」 フーッ……心を落ちつけろ吉影…こいつのスタンド、確実に見抜くわけではない…。 嘘はつき通すことが可能だッ!精神安定剤の効果が切れる前に尋問を終わらせるッ! 「こ…康一君に聞いてないのか?『キラークイーン』、左手から爆弾を発射する……他に取り柄なんかない…。」 この女の反応を見る限りでは『第一の爆弾』はバレちゃあいないッ! これで左手を警戒してグルグル巻きにするなり、縛り付けるなりするだろう。 右手への警戒は薄れる…その時がチャンス……。 だが…何故この女、溜息なんか……? 「………残念ね、やっぱり信用出来ないわ。」 ………何故だ……? 何を言っているんだ…この女? 私にどこか一ヶ所でも、『不自然』な所があるか? 「テメーに掛けた『錠』がよ……浮き出て来たぜ…!」 胸元へと視線を送る、少し汚されたお気に入りのスーツ。 ちょっとした洒落っ気を出す為のドクロのネクタイ、シアーハートアタックに似ているのも気に入っている。 いつもと変わらない、自分自身の姿に…『不自然』な物体が引っ付いていた。 それが目に入った瞬間、あの音が聞こえ始めた………。 ドドドドドドドドドドドドド… 「なんだ…これは…南京錠……か…?」 何故…私の体に……こんな物が…いつの間にッ!? 「アナタのスタンド能力なんてお見通しだったのよ…川尻になる前に一度だけ、 康一君に能力を使うところを承太郎さんに見られていたんだから……。 深読みなんかしないで、普通に考えればよかったのに…私って正直な女なのよ?」 ブ……ブラフ……なにが正直だ……このクソ女にしてやられた……。 スタンドに気づいていない素振りで、私を試していたのか…。 「結構…間抜けなのね、私の髪に触ろうとピクピクしてる指は可愛かったんだけど……。 危ないから…もう引っ込めさせてもらうわね……。」 馬鹿な……悪夢としか思えない………。 この吉良吉影がミスを犯すなんて…。 お……終わりなのか…終わってしまうのか…ッ? 「でも……今のに引っ掛かったってことは、やっぱり愛しているのね。」 …こいつ……そういえば何故…? 私はしのぶを愛していると嘘をついた筈…。 「俺のスタンド、ザ・ロックは……『罪悪感』を持った相手に取りつく。 嘘をつくとき、そいつは必ず罪悪感を抱くもんだ……自分に嘘をついていることにもなるからな。 しかし…なんて小せぇ錠だ……人一倍、そういったもんを感じねー辺りはやはり殺人鬼だな…。」 嘘をつく時に罪悪感…私に錠がつかなかったのは……。 いや、今はそんなことはどうでもいい………。 この錠前……大きさは罪悪感の大きさで決まるのか…となると重量も…。 まずい……今は通販の鉛のリストバンド程度にも感じないが…これを小さいとすれば危険だ……。 肉弾戦になれば有利なのは私だが……その優位さえも封じられてしまうッ…! しかも、こいつには康一の時の様に射程距離があるかどうか…。 「残念だわ……本当に…愛を持った殺人鬼なんて、少しロマンチックだったのに……。」 どうする……殺されてしまうぞ……こうなれば一か八かに賭けるしか…! 間に合うか分からんが……第一にガードだ…守るのは脳でも身体でもなく……口…。 シアーハートアタックに視線を集中させ…キラークイーンで自分自身を守るッ! /l_______ _ _ To Be continued | |_| |_| \l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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鋼の錬金術師 アルフォンス・エルリック No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話13 失くしたはずの暴食(グラトニー) 不明 不明 ◆/YA1Gzr0Nk 05 もがき続けなければ始まらない 鬼舞辻無惨 B-5 村 深夜 ◆ytUSxp038U 30 禁忌の身体 鬼舞辻無惨 B-5 村 黎明 ◆ytUSxp038U 62 羅針盤はずっと闇を指したまま 鬼舞辻無惨 B-5 村 早朝 ◆ytUSxp038U 71 カルマ キャメロット城、遠坂凛、バリー・ザ・チョッパー、鬼舞辻無惨 B-4 朝 ◆EPyDv9DKJs 89 未完成のアンサー 神楽 D-4 草原C-4 橋 午前 ◆ytUSxp038U 100 BLOOD+ メタモン、絵美理 C-5 草原、D-6 草原、??? 昼 ◆ytUSxp038U 120 汚れなき子ども C-5 草原 日中 ◆ytUSxp038U 125 害虫はどっち? 両面宿儺、広瀬康一、グレーテ・ザムザ C-5 村と草原の境界付近C-5 村 春の屋跡付近 午後 ◆5IjCIYVjCc 134 悔いなき選択 -傷痕-悔いなき選択 -絡みつく声は消えないNightmare-悔いなき選択 -愚者の足掻き-悔いなき選択 -ソコに悪意がある限り-悔いなき選択 -Cyclone Effect-悔いなき選択 -有耶無耶な儘廻る世界- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、バリー・ザ・チョッパー、環いろは、ジューダス、ホイミン、アルフォンス・エルリック、広瀬康一、ン・ダグバ・ゼバ D-6 市街地D-6 市街地(蓮達から離れた場所)????? 夕方 ◆ytUSxp038U 137 瞬間センチメンタル 雨宮蓮、エボルト、檀黎斗、ジューダス、遠坂凛、キャメロット城 D-6 市街地、空中、市街地 出入り口付近 夜 ◆ytUSxp038U バリー・ザ・チョッパー No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話28 チョッパー×チョッパー 不明 不明 ◆NIKUcB1AGw 23 殺してあげると彼らは言った 桃白白、メタモン B-5 草原 深夜 ◆ytUSxp038U 33 Mighty Wind ン・ダグバ・ゼバ、遠坂凛、キャメロット城 C-4 空中C-4 山 黎明 ◆EPyDv9DKJs 63 朝を迎えて凶兆芽吹く 遠坂凛、キャメロット城 B-4とC-4の境界 草原 早朝 ◆ytUSxp038U 71 カルマ キャメロット城、遠坂凛、鬼舞辻無惨、アルフォンス・エルリック B-4 朝 ◆EPyDv9DKJs 102 エタニティ・デザイア キャメロット城、遠坂凛、鬼舞辻無惨、ゲンガー D-6 街道 昼 ◆EPyDv9DKJs 117 VIVID VICE -曇天の道を-VIVID VICE -そして、集いしスターダスト-VIVID VICE -Blooming Villain-VIVID VICE -Jよ叫べ/愚者の選択-VIVID VICE -Hybrid Rise ARK ONE-VIVID VICE -STAGE OF HERO-VIVID VICE -終わりくらい選べたら- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、ゲンガー、犬飼ミチル、魔王、鬼舞辻無惨、メタモン、ン・ダグバ・ゼバ D-6 街D-6 街(承太郎達から離れた位置)D-6とD-7の境界 街D-6とD-7の境界 街(ダグバとは離れた位置)D-6 街(西側入り口付近) 日中 ◆ytUSxp038U 134 悔いなき選択 -傷痕-悔いなき選択 -絡みつく声は消えないNightmare-悔いなき選択 -愚者の足掻き-悔いなき選択 -ソコに悪意がある限り-悔いなき選択 -Cyclone Effect-悔いなき選択 -有耶無耶な儘廻る世界- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、バリー・ザ・チョッパー、環いろは、ジューダス、ホイミン、アルフォンス・エルリック、広瀬康一、ン・ダグバ・ゼバ D-6 市街地D-6 市街地(蓮達から離れた場所)????? 夕方 ◆ytUSxp038U 140 Aたちのバラッド/何も殺さず生きられないAたちのバラッド/Blooming Villain -Scramble-Iにさよなら/ワタシが■■クで仮■ラ■■ーIにさよなら/やがて星がふる 雨宮蓮、エボルト、ン・ダグバ・ゼバ C-4と5の境界 橋C-5 夜 ◆ytUSxp038U ポケットモンスターシリーズ ゲンガー No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話60 ゴーストアンドゴースト 木曾 不明 不明 ◆EPyDv9DKJs 16 Sea Tripper 鵜堂刃衛、木曾 D-8 集落の何処か 黎明 ◆EPyDv9DKJs 38 分かつ希望の光、輝くのか、消えるのか 伊藤開司、神楽、広瀬康一、ニコ・ロビン、エーリカ・ハルトマン C-7、砂浜 早朝 ◆P1sRRS5sNs 67 Wの悲劇/悪魔と悪魔Wの悲劇/災害魔女警報発令 伊藤開司、ニコ・ロビン、エーリカ・ハルトマン、絵美理 D-7 街 朝 ◆ytUSxp038U 74 Life Will Change(1st)Life Will Change(2nd)Life Will Change(3rd)Life Will Change(4th)Life Will Change(Final)Cが見ていた/囚われのアルストロメリア 雨宮蓮、野原しんのすけ、エボルト、シロ、アーマージャック、犬飼ミチル、エーリカ・ハルトマン、絵美理 D-7 街 上空D-7 街D-6 純喫茶ルブラン前 午前 ◆ytUSxp038U 90 犬飼ミチルの謎集う対主催軍団 野原しんのすけ、犬飼ミチル、エーリカ・ハルトマン、雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、ホイミン E-6 街E-6 街の外(街から南西の位置) 昼 ◆OmtW54r7Tc 95 Broken Sky -Dance With Me-Broken Sky -生か死か-Broken Sky -Blessed wind-Broken Sky -ボクがアークの仮面ライダー- 野原しんのすけ、犬飼ミチル、エーリカ・ハルトマン、産屋敷耀哉、アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)、ン・ダグバ・ゼバ、魔王 E-6 下水道D-6とE-6の境界 下水道E-6 街E-6とD-7の境界 街 昼 ◆ytUSxp038U 102 エタニティ・デザイア キャメロット城、遠坂凛、バリー・ザ・チョッパー、鬼舞辻無惨 D-6 街道 昼 ◆EPyDv9DKJs 117 VIVID VICE -曇天の道を-VIVID VICE -そして、集いしスターダスト-VIVID VICE -Blooming Villain-VIVID VICE -Jよ叫べ/愚者の選択-VIVID VICE -Hybrid Rise ARK ONE-VIVID VICE -STAGE OF HERO-VIVID VICE -終わりくらい選べたら- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、バリー・ザ・チョッパー、犬飼ミチル、魔王、鬼舞辻無惨、メタモン、ン・ダグバ・ゼバ D-6 街D-6 街(承太郎達から離れた位置)D-6とD-7の境界 街D-6とD-7の境界 街(ダグバとは離れた位置)D-6 街(西側入り口付近) 日中 ◆ytUSxp038U メタモン No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話50 へんしん 不明 不明 ◆OmtW54r7Tc 23 殺してあげると彼らは言った バリー・ザ・チョッパー、桃白白 B-5 草原 深夜 ◆ytUSxp038U 40 Good morning my fear 産屋敷耀哉 C-5 道路C-6 森 黎明 ◆ytUSxp038U 55 蠍の剣士、厄災となりて。 伊藤開司、神楽、広瀬康一 C-6とC-7の境目 道路C-6 道路、森 早朝 ◆5IjCIYVjCc 78 ふと迷う僕らの背を憧れがまた押している C-6 森 朝 ◆5IjCIYVjCc 98 変身 Ungeziefer? Human?変身 Kamen Rider 両面宿儺、グレーテ・ザムザ、広瀬康一 C-5 村(春の屋) 午前 ◆s5tC4j7VZY 100 BLOOD+ アルフォンス・エルリック、絵美理 C-5 草原、D-6 草原、??? 昼 ◆ytUSxp038U 117 VIVID VICE -曇天の道を-VIVID VICE -そして、集いしスターダスト-VIVID VICE -Blooming Villain-VIVID VICE -Jよ叫べ/愚者の選択-VIVID VICE -Hybrid Rise ARK ONE-VIVID VICE -STAGE OF HERO-VIVID VICE -終わりくらい選べたら- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、バリー・ザ・チョッパー、ゲンガー、犬飼ミチル、魔王、鬼舞辻無惨、ン・ダグバ・ゼバ D-6 街D-6 街(承太郎達から離れた位置)D-6とD-7の境界 街D-6とD-7の境界 街(ダグバとは離れた位置)D-6 街(西側入り口付近) 日中 ◆ytUSxp038U 無能なナナ 柊ナナ No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話04 無能力者のΨ難 燃堂力 不明 不明 ◆5IjCIYVjCc 09 能力者たちはどこかにいる 燃堂力 E-1 街 ラーメン店内 深夜 ◆5IjCIYVjCc 31 無能力者とヒーロー 燃堂力、大崎甜花、桐生戦兎 E-2 街 PK学園高校 黎明 ◆ytUSxp038U 32 Vは誰の手に/開幕のベルが鳴る 燃堂力、大崎甜花、桐生戦兎、杉元佐一、鳥束零太、我妻善逸、DIO、貨物船 E-2 街 PK学園高校 早朝 ◆ytUSxp038U 42 Dのステージ/迷いを捨てた火花が今、散ったDのステージ/これが私の幸福論 燃堂力、桐生戦兎、杉元佐一、我妻善逸、鳥束零太、DIO、貨物船、大崎甜花 E-2 街の出口付近の道路E-2 街 PK学園高校(校門付近) 早朝 ◆ytUSxp038U 77 Ψ難再び!柊ナナの憂鬱(前編)Ψ難再び!柊ナナの憂鬱(後編) 燃堂力、杉元佐一、桐生戦兎、我妻善逸 D-2と3の境界 聖都大学附属病院前 朝 ◆ytUSxp038U 97 我妻善逸はでんきネズミのユメをみるか!? 杉元佐一、我妻善逸、燃堂力、桐生戦兎 D-2と3の境界 聖都大学附属病院内と外 午前 ◆OmtW54r7Tc 99 疑似体験Ψエンスフィクション 燃堂力、桐生戦兎、ボンドルド D-2と3の境界 聖都大学附属病院内 廊下 昼 ◆5IjCIYVjCc 106 Ψ悪の展開を想像して 脹相、悲鳴嶼行冥、神楽、杉元佐一、我妻善逸、桐生戦兎、燃堂力 D-2と3の境界 聖都大学附属病院の中、外・車内 昼 ◆5IjCIYVjCc 115 仕組まれた復活? 脹相、燃堂力 D-2 日中 ◆OmtW54r7Tc 122 Ψ適解を答えよ! 野原しんのすけ、燃堂力、脹相 C-1 フリーザの宇宙船の内部 午後 ◆ytUSxp038U 132 拳願阿修羅 -CHAINSAW BLOOD-拳願阿修羅 -喰うか食われるか-拳願阿修羅 -くすぶるheartに火をつけろ!!-拳願阿修羅 -Ψは投げられた 野原しんのすけ、燃堂力、脹相、ギニュー C-1 夕方 ◆ytUSxp038U 133 北へ 両面宿儺、魔王、燃堂力、野原しんのすけ E-6 街C-1 フリーザの宇宙船内 夕方 ◆5IjCIYVjCc 145 神ノ牙 -集結の百禍(前編)-神ノ牙 -集結の百禍(中編)-神ノ牙 -集結の百禍(後編)-神ノ牙 -Naked arms-神ノ牙 -Ψ悪は遅れてやって来る-神ノ牙 -BLOODY PALACE-神ノ牙 -Law of the Build & Evolution神ノ牙 -道楽心情-神ノ牙 -Endless Journey- 野原しんのすけ、燃堂力、桐生戦兎、杉元佐一、我妻善逸、大崎甜花、雨宮蓮、エボルト、ギニュー、ボンドルドの祈手(葛城忍)、ボンドルドの祈手(鳴海荘吉)、大首領JUDO C-2(JUDOから離れた場所)B-1(車内)B-2 洞窟内C-2 夜中 ◆ytUSxp038U 犬飼ミチル No. タイトル 他の登場人物 場所 時間 作者 登場話36 犬と女子高生と不良 シロ 不明 不明 ◆OmtW54r7Tc 08 増え鬼 シロ、吉良吉影、アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ) E-6 街 深夜 ◆OmtW54r7Tc 19 Bad Communication 吉良吉影、アドバーグ・エルドル、シロ、グレーテ・ザムザ E-5 街入口、E-5 街道 黎明 ◆cd0OhGsgTM 37 吉良吉影はシンデレラに憧れる(前編)吉良吉影はシンデレラに憧れる(後編) 吉良吉影、アドバーグ・エルドル、アーマージャック E-6 街入口付近 早朝 ◆5IjCIYVjCc 73 適者生存 アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)、アーマージャック、大首領JUDO、産屋敷耀哉 E-6 街E-6 下水道 朝 ◆ytUSxp038U 74 Life Will Change(1st)Life Will Change(2nd)Life Will Change(3rd)Life Will Change(4th)Life Will Change(Final)Cが見ていた/囚われのアルストロメリア 雨宮蓮、野原しんのすけ、エボルト、シロ、アーマージャック、ゲンガー、エーリカ・ハルトマン、絵美理 D-7 街 上空D-7 街D-6 純喫茶ルブラン前 午前 ◆ytUSxp038U 90 犬飼ミチルの謎集う対主催軍団 野原しんのすけ、ゲンガー、エーリカ・ハルトマン、雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、ホイミン E-6 街E-6 街の外(街から南西の位置) 昼 ◆OmtW54r7Tc 95 Broken Sky -Dance With Me-Broken Sky -生か死か-Broken Sky -Blessed wind-Broken Sky -ボクがアークの仮面ライダー- 野原しんのすけ、ゲンガー、エーリカ・ハルトマン、産屋敷耀哉、アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)、ン・ダグバ・ゼバ、魔王 E-6 下水道D-6とE-6の境界 下水道E-6 街E-6とD-7の境界 街 昼 ◆ytUSxp038U 114 マンホールにそれをどう通したのか問題 解答編 産屋敷耀哉 D-6とE-6の境界 下水道(蓋が外れたマンホールの真下) 日中 ◆HAiYMV5uZE 117 VIVID VICE -曇天の道を-VIVID VICE -そして、集いしスターダスト-VIVID VICE -Blooming Villain-VIVID VICE -Jよ叫べ/愚者の選択-VIVID VICE -Hybrid Rise ARK ONE-VIVID VICE -STAGE OF HERO-VIVID VICE -終わりくらい選べたら- 雨宮蓮、エボルト、空条承太郎、檀黎斗、遠坂凛、キャメロット城、バリー・ザ・チョッパー、ゲンガー、魔王、鬼舞辻無惨、メタモン、ン・ダグバ・ゼバ D-6 街D-6 街(承太郎達から離れた位置)D-6とD-7の境界 街D-6とD-7の境界 街(ダグバとは離れた位置)D-6 街(西側入り口付近) 日中 ◆ytUSxp038U 作品別追跡表一覧 【鬼滅の刃】 【ジョジョの奇妙な冒険】 【銀魂】 【仮面ライダービルド】 【クレヨンしんちゃん】 【ゴールデンカムイ】 【斉木楠雄のΨ難】 【呪術廻戦】 【テイルズオブデスティニーシリーズ】 【ドラゴンボール】 【鋼の錬金術師】 【ポケットモンスターシリーズ】 【無能なナナ】 【るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-】 【アイドルマスターシャイニーカラーズ】 【うろ覚えで振り返る承太郎の奇妙な冒険】 【エッチな夏休み】 【御城プロジェクト:Re】 【仮面ライダーエグゼイド】 【仮面ライダークウガ】 【仮面ライダーSPIRITS】 【艦隊これくしょん】 【クロノ・トリガー】 【ストライクウィッチーズシリーズ】 【突撃!!アーマージャック】 【とっとこハム太郎3 ラブラブ大冒険でちゅ】 【賭博堕天録カイジ】 【ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち】 【ToLOVEるダークネス】 【Fate/stay night】 【ペルソナ5】 【変身】 【魔法少女まどか☆マギカ外伝 マギアレコード】 【魔法陣グルグル】 【ONE PIECE】
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よろしいならば参加者だ ※作品名は外部サイト「wikipedia」の該当部分へリンクしています。 6/6【 うたわれるもの 】 ○ハクオロ/○エルルゥ/○アルルゥ/○ベナウィ/○カルラ/○トウカ 6/6【 BACCANO! 】 ○フィーロ・プロシェンツォ/○エルマー・C・アルバトロス/○ラッド・ルッソ/○クリストファー・シャルドレード/○グラハム・スペクター/○クレア・スタンフィールド 6/6【 ひぐらしのなく頃に 】 ○前原圭一/○竜宮レナ/○園崎魅音/○北条沙都子/○古手梨花/○園崎詩音 5/5【 スクライド 】 ○カズマ/○劉鳳/○ストレイト・クーガー/○橘あすか/○無常矜侍 5/5【 ローゼンメイデン 】 ○桜田ジュン/○真紅/○翠星石/○蒼星石/○水銀燈 5/5【 ワンピース 】 ○モンキー・D・ルフィ/○ロロノア・ゾロ/○ウソップ/○トニートニー・チョッパー/○サー・クロコダイル 4/4【 ジョジョの奇妙な冒険 】 ○東方仗助/○広瀬康一/○吉良吉影/○ジョルノ・ジョバァーナ 4/4【 とある魔術の禁書目録 】 ○上条当麻/○御坂美琴/○一方通行/○土御門元春 4/4【 ポケットモンスターSPECIAL 】 ○レッド/○イエロー・デ・トキワグローブ/○サカキ/○ミュウツー 3/3【 終わりのクロニクル 】 ○佐山・御言/○新庄・運切/○ブレンヒルト・シルト 3/3【 トライガン・マキシマム 】 ○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○リヴィオ・ザ・ダブルファング 3/3【 Fate/Zero 】 ○衛宮切嗣/○アーチャー(ギルガメッシュ)/○ライダー(イスカンダル) 3/3【 BLACK LAGOON 】 ○レヴィ/○バラライカ/○ロベルタ 2/2【 コードギアス ナイトメアオブナナリー 】 ○ナナリー・ランペルージ/○ゼロ 2/2【 ドラえもん 】 ○ドラえもん/○野比のび太 2/2【 WORKING!! 】 ○小鳥遊宗太/○伊波まひる 1/1【 ARMS 】 ○高槻巌 1/1【 あずまんが大王 】 ○春日歩 65/65 ネタばれ参加者名簿はこちら
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音を立てないよう気をつけながらドアを開き、部屋から出る。 辺りを見回してみる。 見渡す限り何も不審なところはない。何故なら見る限り普通の家だからだ。 土足なので海外様式なのだろう。 足音を極力立てないように気をつけながら廊下を歩く。いくら外見が普通だといっても用心しない理由にはならない。 これは過剰な反応だろうか?いや、そうは思わない。 ある日、突然自分の平穏が打ち砕かれるということを私は知っている。 ほんの些細な油断が崩壊への一歩だということを身をもって知っている。 だから、私はそれを基に成長しなければならない。同じ過ちを繰り返さないためにも。 人間は経験によって成長する。そして失敗をしても、それを基に成長できる生き物だ。 よく同じ間違いを繰り返す奴はそれを意識していないのだろう。 そしてかつての私はそうだった。 私の秘密を知った重ちーとかいう小僧を始末する際、油断してしまった。 しかし、私はその油断から生じた平穏の崩壊を川尻浩作に成り代わることで何とか食い止めた。……はずだった。 そう、本当ならそれで食い止められたはずだったのだ。 川尻浩作に成り代わり、平穏に川尻の家に馴染もうと思っていたのに、私は軽率な行動をしてしまった。 完全に馴染む前に自分の性を開放してしまった。我慢することができなった。 それはあまりに軽率な行動だった。自分は常に強運で守られていると油断していたのだ! その油断を、奴らの言っていた『正義の心』は見逃さなかった。自分の性の開放を早人の奴に目撃されたのだ。 しかもビデオカメラに撮影されて。 そんなもの早人を殺せば済む問題だった。現に私は早人の奴を始末した。しかし、時期が悪かった。 丁度その頃、『岸辺露伴』が『川尻浩作』のことを調べ始めたのだと親父から聞いた。 早人を始末したタイミングが悪すぎた。その一言に尽きるだろう。 そんな絶望の最中に立つ私に、再び平穏に暮らすための力が身についたのは偶然としかいいようがなかった。 『バイツァ・ダスト』、キラークイーンの第3の能力で絶対無敵の能力。 そんな能力を身につけたおかげで私は平穏な人生を歩めるはずだった。運命は私の見方のはずだった。 私は『バイツァ・ダスト』を過信しすぎていた。無敵だと浮かれていた。 『バイツァ・ダスト』は無敵なんじゃなかった。いや、この言葉には語弊がある。 能力だけなら『バイツァ・ダスト』は無敵だ。誰にも破ることはできない。 だが、問題は……欠点は自身の心構えだった。 『バイツァ・ダスト』は無敵だと思い込んでいた。無敵だと思い油断していた。 そして私は、なにもできるはずのない小僧である早人にその隙をつかれ、死んだ。 3度、私には3度も平穏を維持する機会があったというのに!その思い込みのせいで!過信しすぎるせいで!同じ過ちを繰り返してしまった! 自分が仗助に言ったのだ!『思い込む』という事が、何よりも『恐ろしい』ということを!過信しているときが一番始末が悪いと! 私自身が一番思いこんでいたんじゃないか!過信していたんじゃないか! だからこそ、だからこそ私は今細心の注意を払って行動する。 なぜなら、今自分は生きているからだ。確かに死んだはずなのに。 呼吸をし、心臓が鼓動して体に血液を送っている。 体中に伝わる確かな感触、死んでいるわけがない。 慌てず、ゆっくり廊下を歩く。 生きているということは、私はまた平穏な人生を歩む機会を手に入れたということだ。 今考えるべきことは、自分が何故生きているかではなく、何故このような事態になっているか?何故ここにいるか?ここはどこなのか?ということだ。 まずそれを知らなければ動きようがない。 それを知るまでは油断は一時もできない。同じ過ちは繰り返さない。 一瞬の気の緩みこそが崩壊への一歩。 それを深く自分の心に刻みつけながら廊下を歩いた。 廊下はそれほど長くはなく、すぐにまた別のドアにたどり着いた。 ドアの隙間からは光が漏れていない。つまりこの部屋には明かりがついていないということか。 念のため、ドアに耳をつけ中の音を聞き取ろうとする。 …………なにも聞こえない。 中には誰もいないようだな。 それでも気を配りながら慎重にドアを開ける。 入った部屋は確認したとおり明かりもなく、誰もいなかった。 明かりはないといったが、部屋の中は暗くはなかった。窓から差し込む月の光が部屋を満たしていたからだ。 窓に近づき、空を見上げてみる。 そこには今まで見た月のゆうに2倍はある月が浮かんでいた。それも二つ。 どれだけ見ても、月は変わらず二つそこにあった。 「本当にどうなってるんだ……」 呟いてはみるものの答えは出ない。 もう見るのはよそう。頭がおかしくなりそうだ。 窓から離れ、部屋を見渡す。大きなテーブルにそれに見合うだけの椅子の数。 テーブルには染みや汚れなどが付着しており、生活臭が感じられる。 椅子の数から見てそれなりの人数がこの家に住んでいるようだ。 そしてテーブルを見る限り、ここの住人はこの部屋で食事をとっているらしい。 この家の住人が私をここに連れてきた?それは考え難い。 この部屋を見る限り、随分と生活様式が古い感じがするが普通の住人が住んでいる感じだ。 普通の人間が人をどこかへ拉致するか?したとしてこんな簡単に逃げ出せるような真似をするか? するはずがない。 そう思いながらあるドアノブに手をかける。見る限り外へ出るためのドアだ。 このまま外へ出てみよう。 気を抜かずドアを開け、外へ出る。 あたりは月明かりに照らされていて、遠くのほうまで見渡せそうだ。 辺りを見回してみる。 ここに来る前に自分がいたと思われる城のような建築物はどこにもなかった。 その代わり、明らかに西洋のものと思われる家が幾つも建っていた。 それを確認して歩き出す。 家に自分が知りたい情報はない。この吉良吉影の『勘』がそう告げている。 ふと家のほうを振り返る。おかしいな?どうも明かりがついていた気がしたんだが……気のせいだったのだろうか? もしかするとこの月の光が自分が知っているものより明るいのでそう思ったのかもしれない。 そう思いながら私は足を前へと進めた。ジクジクと爪が伸びるのを感じながら……
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ボツ作品集 そうだな……わたしは「結果」だけを求めてはいない。 「結果」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ…… 近道した時、真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。 大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。 向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は投票や議論で没になったとしても、 いつかは本編にたどり着くだろう? 向かっているわけだからな……違うかい? 落選会場MAP 落選オープニング No. タイトル 作者 登場人物 投下日 0 オープニング ◆GvhXC3KHaU エンポリオ・アルニーニョ 2011/10/02 0 いつの間にかバトルロワイアルが開幕していた件 ◆wKs3a28q6Q ブルート、イルーゾォ、メローネ 2011/10/02 0 OP 世界の中心で狂気を叫んだケモノ ◆vvatO30wn トリッシュ・ウナ、プロシュート、リゾット・ネエロ、ギアッチョ、ジョルノ・ジョバァーナ、間田敏和、ペッシ、ジョージ・ジョースター1世、ジョナサン・ジョースター、族長(オサ)、ロッコ・バロッコ、宮本輝之輔 2011/10/10 0 開催 ~オープニング~ ◆yxYaCUyrzc グイード・ミスタ、霞の目博士 2011/10/17 056 オールオアナッシング ◆LvAk1Ki9I. ミラション、サンドマン 2015/08/22 182 第3回放送 ◆c.g94qO9.A スティーブン・スティール、ファニー・ヴァレンタイン 2015/08/03 190 2 Become 1 ◆OnlAmXGbfQ ジョナサン・ジョースター、カーズ、小林玉美、ナランチャ・ギルガ、トリッシュ・ウナ 2016/02/04 196 DEUCE TO 7 ◆c.g94qO9.A ジョセフ・ジョースター、シーザー・アントニオ・ツェペリ、カーズ、イギー、小林玉美、宮本輝之輔(参)、吉良吉影、ジョルノ・ジョバァーナ、ナランチャ・ギルガ、トリッシュ・ウナ、パンナコッタ・フーゴ、プロシュート、ディエゴ・ブランドー、カンノーロ・ムーロロ、蓮見琢馬、双葉千帆 2016/05/16
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今にも落ちてきそうな星空の下で(中篇) ◆MANGA/k/d. まとわりつく、粘ついた空気。 暗闇の中で呼吸も出来ずに、もがいている。 脚に、腕に、身体に…そしてのどに、無数の手がからみついて、引き戻そうとしてくる。 誰だ? 振り返りたい衝動。 しかし、振り返ってはならない。 何故か、そんな気がする。 耳元に息がかかる。 生暖かい。 首筋に液体がかかる。 ぬらりとした感触。 うめき声が、悲鳴が、嗚咽が、怨嗟が。 耳の奥へとぬるりぬらりと入り込んでは、ぐるりぐらりと渦巻いて脳を揺さぶる。 痛い…苦しい…助けて…何故…。 何故こんな非道いことを…。 お願いします、子供だけは…。 痛い、痛い、痛い…身体が…中から…。 顔にかかる液体の暖かさ。 爆ぜる肉体の、はらわたから立ち上る湯気。 そのはらわたから溢れる糞の匂い。 アンモニアの匂い。 血の匂い 悲鳴。 声。 匂い。 溶ける。 溶け出す。 記憶。 スデニ……出来テイタナ…。イイゾ…。 記憶。 空条承太郎の記憶。 ばね仕掛けの人形のように跳ね起きる。 息が…のどが詰まる。 苦しい。 呼吸が、もどかしく引きつる。 「み…」 荒い息の中から、あえぐように言葉を吐こうとする。 (水…水は…) 暗闇の中に手を伸ばす。 ベッドの脇にあったサイドボードに、コップがある。 手に取り、確かめもせずに一気に飲み干した。 甘い。 砂糖が入っているのか。 ざらりとした感触がある。 しかし、それよりもまずは、のどの粘つきが洗い流された事への安堵がある。 息がつける。 呼吸が次第に落ち着いてきた。 それと同時に、暗闇に慣れた目が、辺りを確認する。 小綺麗な一室だ。 ベッドがあり、本棚やクローゼットがあり、机がある。 広くはないが、狭苦しくもない。 そして何より、文明の匂いがする。 アミバの記憶の中では、核戦争によって失われたものの匂いがする。 この街に着たときから思っていた。 人気が無く、まるで死人の街のようではあるが…失われていると思っていた様々なモノが、ここにはある。 いや、むしろ、彼が知っているかつての文明よりも、発展しているかのようにも思えた。 闇の中にいてなお、アミバはそのことに安堵する。 かつての自分とは、切り離されたモノがここにあり、切り離されて自分がここにいる。 そんな錯覚を覚える。 だめだよ。 声がした。 ビクリと、枕元の闇へと視線をやる。 歪にねじくれ、奇怪な姿をした異形の者が、ベッドの下からはい出てきて睨め付ける。 だめだよ。アンタは昔と変わっちゃ居ない。 おれをこんな姿にして殺したアンタのままなんだ。 お前の本性はただの殺人鬼だ。 今更イイコになろうなんて、だめだよ。 部屋の角から。 机の下から。 本棚の隙間から。 クローゼットの中から。 だめだよ。 だめだよ。 だめだよ。 だめだよ…。 モウオソイヨ。 歪にねじくれた異形の者達 ――― かつて自分が秘孔の実験台としてきた者達 ――― がささやきかけ。 目が覚めた。 同じ部屋。 同じ暗闇。 同じ匂い。 息を吐く。 のどが焼けるように痛い。 水が欲しかった。 水を飲んで、この痛みと乾きと粘つきと ――― 過去を洗い流したかった。 す、と。 コップが目の前に差し出された。 考えるまもなく、それを奪って口を付ける。 甘い。 砂糖が入っているのか。 ざらりとした異物感があったが、そんな事を気にしてなどいられない。 一気に飲み干して、大きく息を吐く。 それでも、のどのひりついた痛みは消え去らない。 「具合は」 声がした。 「…どうかな? えー…と、アミ…バ。アミバ君…?」 落ち着いた…いや、この場この時にしては、些か調子っぱずれな感もする、浮ついた声にも思えた。 紫がかったライトグレイのスーツは、高級そうだったが既によれよれにくたびれている。 身体の前が横一文字に切り裂かれ、そこかしこに血が染みつき、どす黒く変色していた。 上品そうな物腰…だが、何か不安をかき立てる影がある。 「あー、あー、無理に話さなくても良い。なんとなく分かるよ。 今…音楽を聴いていてね。 これさ」 手のひらに収まる、小さな黒い箱を手にし、さらには何か操作をして開いたそれから中身を取り出す。 銀色に光る円盤…ディスクだ。 「意外かもしれないが…私は結構UKロックが好きでね。 どちらかというと、クラシックとかオペラとか、そういうのが好きだろうと思われやすいんだが、そうでもない。 特に80年代のUKロックはスバラシイ。 一番のお気に入りは、勿論 QUEEN だ。 フレディ・マーキュリーを失ってからの QUEEN の活動は地味で悲しいものがあるが、失われたものは帰ってこない。 仕方がない事だ…。 だが…曲は残る。そうだろ? 『ボヘミアン・ラプソディー』 『We Will Rock You』 …皆、名曲だ。 だがやはり…ん…? なんだか分からないって顔をしてるな? さては、QUEEN を知らない? ふむ…。君とは音楽の趣味は合いそうにない、か」 机の前の椅子の、背もたれに顎を乗せるようにして座ったまま、男は一方的に話し続けた。 「話題を変えよう。 ケンシロウ君…。 君の話にあった、彼。 字は、何て書くのかなぁ。 "建志郎" 健康の健、志、太郎の郎…とか…、拳法家だから、いっそ拳法の拳、なんてのも洒落ているかな。 ラオウ君は、予想がつかないね。羅、螺、裸…、いや、裸は無いか。ラーメンのラに王様の王、なんて、こっちはふざけすぎかな? アミバ君は、魚を捕る網に、場所の場? そんな感じかなぁ」 何を言っているんだ? アミバは、胃の腑にじわりと、不気味な感触を覚える。 親しげな、あるいは躁的な声音。 有り体に言えば、嬉しそうな声だ。 しかし、何故ここで、こんな事を嬉しそうに話しているのか、理解不能だった。 意味が無い。意味が無いし、意図が分からない。 「私の知っているヤツでね。 面白いあだ名のヤツが居るんだ。 名字の最後と、名前の最初が同じ音で、それがあだ名になっている。 クウジョウ・ジョウタロウ。ジョウ・ジョウ、で、略して、ジョジョ、だってさ。 しかもその…ええと、甥? 叔父? ま、どっちでも良いか。 そいつも、あだ名が同じだそうでね。 ヒガシカタ・ジョウスケ。 こっちは、ジョウ、に、助けるのスケ、を、ジョ、と読んで、ジョジョ…。 無理があるよなぁ~、流石に。 まるでそのあだ名を付けることが先にありき、みたいじゃないか!」 笑った。 その笑顔に。 アミバは戦慄する。 「…見ていたな」 表情が、変わった。 「その反応! 貴様、DISCの中の私を見ていたな…! あの…空条承太郎の記憶…私も知らぬDIOという男…どろどろに意識を溶かす奇妙なスタンド…そして、私の秘密をも全て知っている、あの膨大な空条承太郎の記憶を見て、知ったな……ッ!」 跳ね起きて、構えを取ろうとする。 が、立ち上がれない。 社会の裏側で、ひっそり48人もの人間を殺してきた殺人鬼! 爆弾の能力を持つスタンド、キラー・クィーン! 自動追尾爆弾、シアー・ハート・アタック! 顔を変え、川尻浩作となり身を隠すも、その正体を暴かれて死んだ男! 吉良吉影! この男は…ッ! 漆黒の中の闇、ドス黒い殺人の衝動に突き動かされ続けるこの男は…ッ! 「ギィ…が…はぐ…ッ!?」 声が出ない。 焼け付く痛み。 「この排水溝をはい回るドブネズミよりも汚らしいゲスが…! 既に私のキラークィーンが貴様の喉を焼いている…ッ! しゃべらせるわけがないだろう。 私の秘密を知った者に…! …いいか、私は常に 『平穏な暮らし』 を望んでいる。 ささやかな希望だ…。そうは思わないかい? 君のように、嫉妬に狂って人と争う様な野蛮人には理解できない、高尚な望みか? だがね…その平穏を乱す敵には、この吉良吉影は容赦はしない………。 いつだって、だ……!!」 立ち上がり、アミバを見下ろしてそう断言する。 すぐさま飛びかかって、この男を止めなければ。 そう思うが、身体が思うように動かない。 「ふふ…結構、慎重でデリケートな作業なんだよ。 君の身体の要所…筋、とか、間接、とか、そういうところを、小さな爆発で 『壊して』おいた。 しかも、傍目には目立たない傷として、ね。 まぁ勿論…検死解剖なんかをされれば一発だろうし、普段は死体を全部消してしまうから、こんな面倒で時間のかかることはしない。 今回は、特別だ。 君が…あのDISCで何を見たのかを確認しておきたかった…死体は残さなきゃならないしね。 それにしても…本当に私は絶好調だ!! 全てが巧く回っている…! 何もかもが………!!」 腹の底から嬉しそうに、吉良は満面の笑みを浮かべる。 「それじゃあ、君にも最期のお別れをさせてあげようじゃないか!」 そう言って、吉良は颯爽と、部屋のドアへと向かい、歩いてゆく。 まるで、遠足に行く子供が、軽くスキップをしているかのような軽快な足取りで。 ◆◆◆ 幸運だった。 吉良吉影はそう考えている。 治癒効果があると言われた、六角形の金属片、核鉄。 劉鳳が持っていたソレは、武装連金のかけ声で発動し、黒い蝶の羽をもって空を飛べるのだという。 そして、怪我をしたときに身体に当てることで、治癒力を増して、体力を回復する。 空を飛ぶ、等という目立つ行為はなるべくしたくはないが、この失った左手首の傷口、右手首、そして腹についた裂傷を治せるというのは魅力的だ。 そして、吉良はデイバッグの中に転がしてある、病院で銀時から得た金属片に目をやる。 形は同じだ。 書かれている番号が違う。 もしかしたら、これにも同じような効果があるのではないか? 吉良はそう考える。 取り出して、それを自らの身体にあてがう。 なんとなく、体力が回復している様な気がした。 失われた左手が戻れば良いが、流石にそれは虫が良いだろう。カニやザリガニじゃあるまいし、自然治癒の範疇をを越えている。 とはいえ、傷口がふさがり、痛みが引くならそれに超したことはない。 そして。 空条承太郎の記憶DISC。 まずは、こんな支給品が自分の目の前に現れたことが、実に幸運だ。 これが他人の手で、私の知らぬところで既に使われて…自分の秘密が広まってしまっていたら…。 考えるだけでもそら恐ろしい! そして次に、これを最初に使ったアミバが…おそらくは、度重なる疲労と緊張の上に、あの膨大な空条承太郎の記憶という情報の負荷に耐えきれず…昏倒してしまったこと。 これが何よりも幸運だった。 今、あの秘密を知っている可能性があるのはアミバだけだ。 そしてそのアミバは、こうして目の前で無防備に気を失っている。 吉良吉影は小さく嗤い、思い返す。 あのときの私は、そんな事態など全く想定していなかった。 まさに青天の霹靂だ。 アミバが倒れ込み、くずおれるその前…かすかに…そのDISCの表面に映った像。 まるで、角度によって色んな像が見えるホログラムシールの様に、偶然に映った像に。 自分の姿が見えた。 偶然か、とも思った。 錯覚か、とも思った。 しかし…。 まだ、川尻浩作へとなる以前の自分。 靴のムカデ屋で空条承太郎と鉢合わせし…シアー・ハート・アタックで大ダメージを与えるも、逆襲され対峙せざるを得なかったあのときの自分…。 その姿がここで映っているというのは。 決して捨て置けないことだ。 意識を失ったアミバだが、とりあえずは命に別状はなさそうだった。 手近な民家に場所を移し、アミバを寝かした後、自ら看護役を買って出たのは、二人きりで確かめるべき事があるからだ。 まずは、アミバの頭からDISCを取り出す必要があった。 意外にもこれは苦労しなかった。 元々しっかりとはまっていなかったのだろうか。 あるいは、意識を失っているからなのか。 幾度か衝撃を与えたら、ゆるゆるとこぼれ落ちた。 もしこれが…しっかりとはまっていたとしたら? ここも又、幸運だったのだと思う。 慎重に、表面を眺めた。 きらめく光の中に、いくつもの像が浮かんでは消えていく。 自分の姿があった。 先ほどちらりと見えたように思った、靴のムカデ屋での戦闘。 エステ・シンデレラに残していった、本物の川尻浩作の死体。 それから…今の、川尻浩作となった自分の血塗れの姿…。 確かめねばならない。 二つの事柄を。 ぐにゃりとした、気味の悪い感触がする。 生暖かいのか、ひんやりと冷たいのかも分からない。 見た目はCDに似ているが、これは別のものだ。 何らかのスタンド能力で創られたものなのだろうか? ゆっくりと…それを…自らの頭に近づけ………挿れた。 途端に、奔流のように情報の渦が脳の中を駆けめぐる。 老人と牢屋の中で対峙している。若い…が、これはジョセフ・ジョースターか? エジプトへの旅の様子。数多のスタンド使いとの戦い。 エンヤと名乗る老婆。父が、矢を買った相手だろうか。 DIO。吸血鬼…? そうか…確か、あの億泰の父親が仕えていたとか言う人物か…。 そして、私だ。 私と闘っている。 覚束ない足取りだが、この私を殴り飛ばしている。 糞…忌々しい! 私の平穏は失われた。 街をうろついて、様々なところへ行っている。 虱潰しに私を探している。 岸部露伴が、川尻早人に目を付けた。 これは父から聞いて知っている。 そしてだからこそ私は、時を吹き飛ばす第三の爆弾、バイツァ・ダストを手に入れたのだ。 だが……。 私は敗れた…! 静止した時の中、承太郎は私を殴り飛ばしている。 吹き飛ばされた私は…動き始めた時間の中で…。 糞…っ! 見ていられなかった。 一旦、DISCを取り出す。 自分で差し込んだDISCは、どうやら自分で取り出すことが出来るらしい。 息を整える。 忌々しく、ムカっ腹の立つ光景だが、見なければならない。 コナンのヤツが持ってきたコーヒーを啜り、一息を入れる。 甘ったるい味が気に障ったが、疲れには良い。 再び、DISCを差し込んだ。 私は死んでいる。 バイツァ・ダストは無敵ではなかったのだ…。 何故敗れたのかは分からない。 分からないが、私は敗れているのだ。 認めざるを得ない。 その後も、様々な場面が続く。 他愛のない場面…ヒトデを虫眼鏡でじろじろ見たり、頭の出来の悪そうな女との間に出来た、さらに出来の悪そうな娘となにやら話をしたりというくだらない場面が続き、湿地帯の島にある刑務所に向かう。 そこで、おそらくは成長した出来の悪い (…しかし、なかなかに良さそうな手をしている様にも見える) 娘と口論をし…銃撃され…こで情報にノイズが入るが…最後に、壁に貼り付いている奇妙なスタンドに攻撃をされ…真っ暗になる。 深呼吸をする。 落ち着け。 落ち着くんだ。 私は、無意識に爪を噛んでいた。 だめだ。やめろ。 爪を噛むのはやめろ。 分かったことを整理するんだ。 1つ。 このDISCには、空条承太郎の記憶が入っていて、頭に差し込むとそれがパノラマの様に再現される。 アミバは、この情報の洪水に耐えられなかったのだ。 だから、昏倒した。 見るからに粗暴で野蛮な顔つきをしている。 こんな大量の情報を処理しきれるだけの脳のキャパシティが無かったのだろう。 鍛え上げたマッチョな肉体も、脳までは鍛えられなかったと言うことだ。 2つ。 バイツァ・ダストは無敵ではない。 方法は分からないが、敗れている。 あの記憶からすると、早人か…仗助か…まさかとは思うがバカの億泰のいずれか誰かによって、破られているのだ。 3つ。 そして、私は死んだ。 いや…私は、死ぬハズだった。 バイツァ・ダストの無敵を信じていた私は、あの後 (…"あの"…? どの時点の "あの"…? そうだ。ここに連れてこられる以前の、"あの" だ ) 死んでいる。 4つ。 そして、空条承太郎はそれから数年後に、壁を這う黒い仮面をかぶったようなスタンドに殺される。 このDISCは、おそらくはその時に作られたものだ。 重要なのは、まずこの4点だ。 私が死んだ先の未来から持ってこられた、空条承太郎の記憶。 真っ当な言葉じゃあないが、つまりはそういう事だろう。 立てられる仮説は…いくつかある。 その中でもかなり確率が高いのは、4つめの考察に出てきた、黒い仮面をかぶったかのようなスタンド…空条承太郎を殺し、記憶をDISCにしてしまったスタンド使いが、このゲームに関わっていること。 これは、おそらく間違いないだろう。 話によれば、アーカードという男も別のDISCを持っていて、スタンドを発現させたというのだ。 黒い仮面のスタンドは、もしかしたらスタンド使いを殺して、記憶とスタンドの二つ…か、それ以上の何かをDISCにするという能力を持っているのかもしれない。 そう言えば父から、人の魂を奪い取ってコインや人形にしてしまうスタンドがあると聞いた様な気がする。まったく、趣味の悪いスタンドだ。きっとそいつは、相当なゲス野郎なのだろうな。 しかし、ここで一つ矛盾が出る。 このゲームにはその空条承太郎も参加していたのだ。 つい先ほどその死が放送されたが、それまでヤツは生きていた。 そこで…あまり考えたくない仮説だが…。 既に、私も空条承太郎も死んでいる。 つまり、ここは所謂、"死後の世界"…というヤツではないか、という事だ。 死んだ私と、死んだ空条承太郎が、魂…のような存在としてここにいる。 私に死んだ当日の記憶がないように、空条承太郎も死んだ当日の記憶を無くしていて、死んだことを自覚していない…という事だ。 もしかしたら、他の連中もそうなんじゃないか? 嫌な考え方だが…しっくりこなくもない。 そしてそうだとしたら…死ぬというのは、意外とたいしたことがない。 何せ、生きていた時とさほど変わらないのだからな。 違うのは、バトルロワイヤルだかなんだかいう、平穏とはほど遠いい殺戮の場に放り込まれてしまうと言うことくらいだ。 そうか。だとしたら、これは地獄とか言うヤツなのか? 確か、無間地獄だかなんだとかいう、永遠に殺し合いをさせられる地獄というのが、仏教の教えか何かにある、というのを聞いたことがある。 不条理極まりない話だ! 私のような穏和な人間が、天国ではなく地獄に堕ちるとは…! まぁ、ここが死後の世界で、私や空条承太郎がが死後の存在としてここに居るかどうかは…どうでも良い。 何れにせよ、私が望むのは平穏な日々。ただそれだけだ。 人の記憶やスタンドを、DISCにしてしまうスタンド使いが居て、そいつがこの忌々しいゲームに関わっている。 そしてそれとは…おそらく別の、死んだ人間か…あるいは別の形でか…色んな人間を一カ所に集めるスタンド使いが居て、協力関係にある…かもしれない。いや、アルター使いだとか言うヤツかもしれないな。 あの光成とか言う老人か? なんとなく、違う気がする。 空条承太郎に背後から近寄っていった黒い仮面のスタンド使いは、おそらくかなり用心深く、慎重な人間だ。 あんな風に無防備に姿をさらすことはないだろう。 人を集めるスタンド使いにしても同様だ。 仮に、あの場で誰か一人でも、首輪の威力を信じないか、あるいは自らが死んでもあいつをやっつけよう、という考えの人間が居たら、それで全て終わってしまうかもしれなかかったのだ。 私ならそうしない。誰だってそうしない。 よっぽどのバカでなければ、の話ではあるが。 とにかく、このDISCは危険だ。 決して誰かに見られてはならないし…これを見た者は全て始末せねばなるまい。 幸運だ。 このアミバという男にしか見られていないのは、幸運だ。 もう一つ、確認をしておくことはある。 つまりは、今意識のないこの男が、本当に私の正体を知ったかどうか…私とこの男が、このDISCで同じものを見たのかどうか…だ。 もしかしたら…可能性は低いが…人によっては見えるものが違っているかもしれない。 例えば、私の場合は、私を殺したのが空条承太郎だから、空条承太郎の記憶が見えた、という可能性だ。 自分を殺した人間の記憶が見えるDISCだ、という事も、無くはない。 ただ、この男を始末する事に関しては…既に決定事項だ。 神楽の服に仕掛けた爆弾を解除する。 それから、丁寧に、入念に、アミバの身体を調べる。 忌々しいほどに健康だ。 腕なんか、私の太ももより太いぞ! 一体何を喰ったら、こんな身体になるんだ? 少し厄介だが、なんとかしよう。 足の筋…間接…重要な箇所を見つけ出し、チェックする。 それから、角砂糖を手にして、爆弾に変えた。 それを砕いて、アミバの開いた口の中に注ぎ込んで…スイッチを入れる。 喉が焼けた…はずだ。 アミバが起きる。 私は暗がりに身を隠す。 ヤツは、枕元にあるコップを手にして、水を飲んだ。 これは、使えるな。 そのまま、ヤツは崩れる様にして身を伏した。 うなされている。 そ、っと、アミバの足首の腱にキークイーンで触れて、爆弾に変えた。 スイッチを入れる。 脚の腱が小さく吹き飛び、消滅する。 呻いた。 キラークイーンの爆発は瞬間で、規模も自由に調節できる。 際限なく大きくは出来ないが、小さくするのは可能だ。 緊急時や、シアーハートアタックの遠隔操作爆破や、他のものの爆発に巻き込まれる場合はその限りでは無いが、人間や人間の一部を直接爆発させる場合、あまりに一瞬過ぎて、爆発した本人ですら気づかないことがあるし、血も出なければ火傷も負わない様にも出来る。 このキラークイーンの能力の目的は、あくまで証拠、痕跡を残さないことだ。 証拠や痕跡を効率よく確実に消すために、キラークィーンを使う。 爆弾で殺すことが目的ではないのだ。 そういう目的のスタンドだとしたら、そいつはきっと爆弾魔か何かに違いない。 そんな最低のゲス野郎と一緒にされるのは、御免被る。 だから、慎重に、丁寧に爆発させれば、死体を丸ごと消すことも、事故 … 小学生の息子が、風呂場で足を滑らせて頭を打ったように … 見せかけた死体をでっち上げることも、不可能ではない。 おそらく…巧くいった。 そして最後に…。 ◆◆◆ 後編
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乾いていく体と共に失せていく思考力、このままこうしているわけにはいかない。死神の鎌は既に首元に当てられていて、私の命を刈り取るためにはほんの少しだけ腕を動かせばいい、そんな段階に入ってしまっている。 だから私はすぐにでも決断を下さねばならない。命綱は目の前に落ちている。もし、私が望むのならば十数秒もしないうちに瀕死であるはずの私の体はすぐにでも元通りとなるのだ。 けれども私には決めなければいけないことがあまりにも多く、迷いばかりが私の目の前に立ちはだかっている状況だ。私は一体どうすればいいんだろうか? 思わず友の名を呟いてしまった、私が守らなくてはいけなく、私の苦悩の中心にいるはずの彼女の名を。 「ジョリーン……」 ☆ ★ ☆ 「……このことは億泰には黙っておくか。トニオ・トラサルディーの下手人を前にしてアイツが冷静になれるわけがないしな」 驚くほどのスピードでパンナコッタ・フーゴの半生に目を通し、岸辺露伴は小さくぼやきつつ紙の擦れる音と共に本を閉じた。すると、まるで皮膚の下に溶け込むかのように本は消えてゆき、その場には傷一つない少年の白い肌が残る。 露伴は記憶を読むために前に屈みこんでいた上体を椅子の背もたれに預け、小さくため息を吐いた。この場では考えさせられることがあまりにも多く、安易な行動一つが人の死へと即座に結びつく。 痛い授業料と共に教えられた露伴はむやみに火種を増やさない事を決めた。 「露伴さん、彼がこの殺し合いで殺す側に回った理由は分かったんですか?」 人の記憶を丸裸にしてしまうのをよしとせず、黙って露伴を見せてただけだった川尻早人が始めて口を開いた。"彼”と言いつつフーゴに向けた視線には殺気すらこもっているようだ。 この少年がいかにしてこのような殺気を発するようになったのか、図らずも露伴の興味をかってしまったものの、露伴は溢れる好奇心をぐっとこらえつつ質問へと答える。 「まず、彼は根っこから腐ってるってわけじゃないみたいだ。ただ、負けたんだよ。恐怖ってヤツにね」 「恐怖ですか?」 椅子がわずかに軋み早人の目の鋭さが更に増した。自分がいなければこの子供はフーゴを殺す、露伴の頭にそのような憶測が湧き起こり、確信へと形を変えていく。 少年のあまりの変貌に多少驚きはしたものの、それを表面に出したり怯えたりすることはなく露伴は小さく頷いて話を続けた。 ギャングになった後、組織の力に怯えブチャラティを裏切ったこと。この殺し合いの場でフーゴの精神を追い込んでいく孤独。荒木飛呂彦の甘い誘い。 そのどれもがフーゴをここまで追い詰める理由になり得たと露伴は理解している。 理解して尚、怒りがこみ上げないわけでもないが、殺し合いに乗ってしまった理由としては納得できたし、彼の記憶と億泰やシーザーとの戦闘中に盛んにつぶやいていた"儀式”という言葉を照らし合わせれば、完全に踏ん切りが付いたわけでもないということも分かる。 されども、早人は納得すること無く顔をさらに険しくさせるだけだ。 「露伴さん、死ぬのが怖いのは誰でも一緒だと思います。けれども僕たちはそれを覚悟でこの殺し合いを何とかしようとしているんじゃないですか。だったら折れたこの人は敵です。僕達が目指している勝利を妨げる障害なんです」 一片の躊躇いもなく放たれた言葉。それは只の小学生に出せる声でも、吉良吉影にたった一人で立ち向かった勇者の声でもない。 岸辺露伴は分かってしまった、分からざるを得なかった。目の前にいる少年は川尻早人の名を持ち、川尻早人の姿をしている人間。しかし、この殺し合いに連れてこられて一日にも満たぬこの時間で彼の内面はそっくりそのまま変わってしまっているのだ。 スタンド能力を持たず、身体能力も普通の成人男性に比べてはるかに劣り、更に言ってしまえば全身に怪我を負っている。そんな少年相手に露伴は己の死を見た。敵に回せば万が一、その万が一が起こりかねない、そう思わせられてしまった。 先刻の情報交換の際に明かさなかった何かが早人にはある。その何かへと先程以上の好奇心が湧き上がるものの、今はそれを先送りにした。 「別にこいつをかばって言うわけじゃないぜ。今から言うことはただ僕がそう思ったから言いたいから言わせてもらうんだ。 なぁ、早人。僕は勝ちたいんだ。勝ちたいからこそ僕はコイツを殺さない」 早人は露伴の言い分には完全に納得していない。 勝利というセリフに込められている意味を『恐怖で怯えた、ある意味では犠牲者である人間を殺してまで荒木を打倒することにこだわるのは勝利じゃない。人を殺してやつの思惑に乗った時点で負けなんだ』と露伴が言いたいのではないか解釈した。 しかし、そんな偽善者ぶった言葉などには興味がない。元より完全な勝利などは求めてはいない。吉良吉影を殺し、荒木飛呂彦を殺し、殺し合いを完全に破壊する。それさえできるのならば過程や方法に拘る気は一切ないのだ。 反論をしようとわずかに身を乗り出し、口を開こうとする。しかし、その口から言葉が出てくることはなかった。 「テメェ! あ、あり。敵はどこに行きやがった?」 純白のシーツの下より、漆黒の学ランを着た男、虹村億泰が立ち上がった事により二人の関心は完全にそっちへと移り、この場で起こりかけた問答は未遂のまま終わることとなる。 気絶より覚めたばかりの頭では現状を即座に理解できず、自分が戦っていたはずの敵の姿を探したものの、すぐに現状を把握し、傍に座っていた露伴へと事情を聞くことにした。 「えっと、状況がいまいち飲み込めないんだけどよ。あの後どうなったんだ?」 早人に視線を向けながらベッドに腰掛けた億泰の表情は暗い。スタンドを持たぬただの小学生である早人が戦力になると思っていなかった上、シーザーが助かっていたことを知らぬ彼は、自分が気絶した後に露伴が機転を利かせて敵から逃げ出したのだと思い込んでいた。 つまりは圧倒的な敗北。己等は仲間をひとり失い、敵にはおめおめと逃げさせた、そう思ってしまえば明るい気分になれるはずなど無い。 億泰が何を考えているかを朧気ながらに理解した露伴は、鼻を鳴らしながら億泰が気絶した後にどうなったかを伝える。 「襲ってきたヤツは無事に撃退したよ。シーザーともう一人助っ人が来てね」 「シーザーは生きてたのか。あの弾丸は間違いなく心臓に当たってたはずだったからもうだめだと思ったぜぇ」 「ああ、波紋使いってやつの凄さを思い知らされたよ。記録としては知っていたけど、こればっかりは体験してみないと分からないもんだ。 でだ、話を戻そう。その後、シーザーと助っ人、ディアボロって名前なんだが、その二人はDIOの館へ向かった。 そして僕たちは気絶してるお前たちのお守りをずっとしていたってわけさ」 「お前たち? 俺の他にだれかいたってのかよ」 口をポカンと開けた億泰に対し、露伴は無言で親指を部屋の角へと向けた。そこには車椅子の上で項垂れるフーゴの姿。それを確認するやいなや、億泰は靴もはかずにベッドから立ち上がり、スタンドを傍らに発現させて戦闘に備える。部屋の気温が急激に下がった。 「落ち着けよ億泰」 フーゴのもとへと歩み寄る億泰の肩を露伴が押す。フーゴに視線をやっていた億泰の顔がわずかに上がった。露伴の瞳を見据える双眸はこれ以上はない怒りで染め上がっている。 が、露伴が視線ごときでひるむわけもなく、構わずに進もうとする億泰の肩を更に強い力で押した。 「どいてくれねぇかよぉ、露伴」 「僕は落ち着けって言ってるんだぜ億泰」 「俺はどけって言ってるんだぜぇ露伴」 視線と視線が交錯した。どちらも引くつもりはなく、早人も二人の問答に介入するつもりはない。 「じゃあ聞かせてもらおうか。僕がどいたらお前はコイツをどうする気だ?」 「決まってるだろぉ。俺の右手で削りとってやるんだ。コイツはどう考えても殺しに乗った。ならば俺だって容赦する気はねぇぜ」 スタンドの右手を開閉させつつ、骨を鳴らすことで敵意をより一層高めた。 「コイツを裁くのは僕達の権利じゃない。もっとふさわしい相手がいる」 「誰なんだ、その相手ってのはよぉ」 「ブチャラティだ、コイツの元上司である彼にコイツを引渡しに行く」 「つまりはナチス研究所に行くってことか? 俺はまっぴらゴメンだぜぇ。ジョルノとは会いたくねぇし、こいつをわざわざ運んでやる義理もねぇしよぉ」 肩を抑えているヘブンズ・ドアーを乱暴に振り払い、再び億泰は腰をおろす。急にかかった体重によってベッドが大きく軋んだ。あからさまに怒りを顕にする億泰に、呆れた様子も隠そうとせずに露伴は大きくため息を吐いた。 「バカだったのは知っていたがここまで底抜けだとは思わなかったよ。 殺し合いに乗ったヤツがみんながみんな吉良吉影みたいなヤツだと思ってないかい君は? 僕も納得はしてないが、彼には彼の事情がある。だからこそ彼のことを詳しく知らない僕達に彼を裁く権利はないっていっているんだ」 「ずいぶんコイツに肩入れしてるみてぇじゃねぇかよ露伴。 お前はそんなやつじゃなかったじゃねぇか、おい。まさかコイツに惚れちまったとか言わねぇよなぁ」 億泰はそう吐き捨てると、露伴から目を逸らした。 そして、静まり返った室内に響く靴が床を叩く音。億泰の肩に露伴の両手が置かれる。 「勝ちたいんだよ僕は」 早人の目に明らかな落胆の色が克明に浮かび上がる。 「ハッキリ言うなら、僕はこいつが気にくわない。自分を殺しに来たヤツをそうそう好きになれるわけはないからね。 けれどももしかしたらコイツが仲間になるかもしれない。コイツのスタンドは僕達にとってもかなりの戦力になる、そうだろ? だから僕は殺さない。勝率が僅かでも上がるならそっちを選ぶんだよ」 億泰と早人が同時に露伴の顔を見た。その瞳は少年のように輝き、そして二人が今までに見たことがないくらいに本気であった。 「ら、らしくねぇじゃねぇか露伴。お前ならなぁ、気に食わないヤツとは絶対に組みたくない、組むくらいなら負けてやるって言うもんかと思ったんだけどよぉ」 「いつもならそう言ってるところなんだけな、今回は事情が違うからしょうがないんだよ。 僕は人を殺してしまったからね、何がなんでも勝たなくっちゃいけないのさ」 露伴の言った"人を殺した”という言葉の意味を早人ははかりかねていた。文字通り自分の手で人を殺してしまったのか、それとも事故で誰かを死なせてしまったのだろうか。しかし、露伴の様子からして後者が濃厚であろうと判断し、事情を聞いてみようかと考える。 だが、早人が口を開く前に、露伴の言葉の真意を知っている億泰が言葉を発した。 「お前がそう言うならしょうがねぇ、俺もジョルノのとこへ行くのは我慢してやる。だけどよぉ、一緒に行動するのは御免だからな。 じゃあさっさと向かおうぜ露伴。連中がいつまでもナチス研究所に留まってるとは限んねぇしよ」 言い切るやいなや億泰は立ち上がり、ドアへと向かってズンズンと歩みを進める。 「億泰、フーゴは君が運んでくれよ。僕はこの体だし、早人は小学生なんだぜ」 後ろからかけられた声に億泰は振り返り、嫌そうな表情を露骨に出してフーゴを見下ろす。けれども、露伴からも早人からも助け舟が出ることはない。 結局、嫌々ながら気絶したフーゴの乗った車椅子を押し、次に僅かにおぼつかない足取りで露伴が退出し、最後に早人が家から出た。 ☆ ★ ☆ 「って感じだな。俺が言って役に立ちそうな情報はそれくらいだぜぇ」 「ありがとうございます億泰さん。あの怪物――エシディシが凶行に走る前の情報を聞けるのは非常に助かります」 「しっかしよぉ、エシディシが殺し合いに乗ったのもびっくりだけど、一番びっくりしたのはおめーだぜ早人。しばらく見ねぇうちにずいぶんと雰囲気が変わったんじゃねぇの?」 「それは僕も気になってたね。情報交換も簡単にしかしてなかったし、君がこの場に来て何を聞いたのか軽く教えてくれないかい?」 三人揃って歩いているせいで、ここが本当の杜王町じゃないのだろうかと思いつつ、億泰はその思考を早々と振り払った。 こんな偽物の街ではなく、本当の杜王町に仲間を連れて帰ってやらなくてはならない。ついつい重くなってしまいがちな彼にとって、会話で気を紛らわせることができたのはありがたかった。 しかし、根っこに引っかかるのは早人の周りを纏う空気。小学生離れしている少年だということは知っていたが、最後に会った時と致命的に何かが違う。その何かが心にどうしても引っかかるのだ。 それは露伴にとっても同様であり、億泰に同意する形で早人の口から聞き出そうとする。 「そうですね、まずこの殺し合いに呼ばれたときの話からしましょうか――」 早人の口から紡がれていくここ一日での出来事。この少年が何を見て何を思ったのか、億泰と露伴は口をはさむこと無く黙々と聴き続けた。 駅で会った殺し合いに乗った者たち、とりわけリーダー格であったヴァニラ・アイスの話になると今まで低かった越えのトーンが更に下がり、露伴が先刻感じた殺気を再び放ち始める。 そして戦いの詳細が語られるにつれ、億泰と露伴の二人はますます話のへと引き寄せられていく。 聞く限りでは無敵のスタンド使い、それに対して少年は己の知恵と勇気だけで立ち向かった。しかし二人の興味は、一種の英雄譚の様な中身よりも、自分が死にかけたことをあたかも他人ごと家のように話す早人へと向く。 「――そして僕はヴァニラ・アイスを殺したんです」 場に沈黙が訪れた。 「俺はバカだからよぉ、こんな時なんて言っていいか分からねぇけどさ、大変だったな早人」 おずおずと、どこか遠慮した様子で億泰は口を開く。億泰の心情を察したのか、小さく笑いを漏らしながら早人が返す。 「僕は大丈夫ですよ。ヤツを殺したことは気にしていません」 「一応聞かせてもらいたいんだ、君が殺しを躊躇わなくなった理由は何なんだい早人? 吉良を殺そうとしたときは、少なくとも恐怖は感じてたはずだろ? それに、この話を聞く限りだと、君は自分の命に無頓着すぎるんじゃないかい?」」 きっぱりと自分の心配を否定され、億泰は口を挟もうとするも、その前に岸辺露伴が問いを投げかける。 そして早人はそれが当たり前であるかのよう、それが世界の真実であるかのような口ぶりで答える。 「簡単ですよ、ヤツが僕達の敵だからです。敵を殺すのに躊躇してはいけない。この場に来て嫌ってほどに思い知らされたんです。 そしてもう一つの質問の答えも簡単です。命なんかに執着してては勝てるものもかてなくなってしまうじゃないですか」 「おい、早人」 億泰の声にトゲが混じった。早人の言っていることは間違っていない。冷静な部分はそう叫んでいるが、感情的な部分がそれを認めることを許さない。"杜王町の仲間”の変貌を心の根っこの部分が否定する。 だが、二の句を継ぐ前に億泰の言葉はまたしても露伴に遮られた。 「なぁ、血の匂いがしないかい? 億泰、悪いがスタンドの肩を貸してくれないか。 情けなくてあまり気がすすまないんだが、今の僕たちは危険を避けたほうが賢明だしな」 話の腰を折られた億泰はいら立ちを隠す様子を見せようとしなかったが、おとなしく露伴に従い、スタンドを発現させて露伴を無理矢理背負う。 「おい、誰が僕のことをおんぶしろって言ったんだ」 「うるせぇなあ、こっちのほうが早いんだから文句言うんじゃねぇ」 不満を述べる露伴を無視して先程よりも速度を出して歩き出す億泰。 しばらくは背中で文句を言っていたいた露伴であったが、急にスタンドを発現させると、ザ・ハンドの耳へと顔をよせた。 「早人とここで言い争うのは得策じゃない。このことに関しては後でじっくりと話すことにしよう」 早人にぎりぎり聞こえない声量で露伴はボソリと呟いた。 億泰は完全には納得していないものの、血の匂いがするのを自身の鼻でもしっかりと捉えたので、渋々納得し、歩みを早めていく。 ここで、岸辺露伴と虹村億泰は、一つの懸念と不安を抱いた。 ――川尻早人はもう元には戻れないのではないだろうか。 【E-3南西部 路上/1日目 真夜中】 【第4部生き残りトリオ+1】 【岸辺露伴】 [スタンド]:ヘブンズ・ドアー [時間軸]:四部終了後 [状態]:右肩と左腿に怪我(車椅子が不要な程度には回復)、多少の疲労感 [装備]:ナランチャのナイフ、ミスタがパくった銃【オートマチック式】(11/15) [道具]:基本支給品×2、ダービーズチケット、ディアボロのデスマスク、予備弾薬37発(リボルバー弾7発、オートマチック30発) [思考・状況] 基本行動方針:荒木を倒すために『取材』をして回る。 1.ナチス研究所へ向かう。 2.ジョルノたちに再会し、『ボスの伝言』と伝え、『フーゴ』を引き渡す。 3.荒木に取材を申し込むため、テレンスを探す(ナチス研究所優先)。 4.ウエストウッド…すまなかった。 5.隕石を回収……ああ、そんなのあったね 6.フーゴがトニオを殺したことは黙っていよう [備考] ※これからは荒木を討伐するために自分勝手な行動を控えることにしました。 ※気は進まないようですが、時の情報についての考察にも助力をするようです。 ※名簿と地図をやっと確認しました。 ※傷はかなり回復しました。車椅子は現在フーゴの拘束に利用しています。 ※第一放送、第二放送の内容を把握しました。 ※ダービーズアイランドに荒木がいることを知りました。 ※シーザーに書き込んだ『露伴の身を守る』という命令はキャンセルされました。今後そういった内容の『命令』は二度と書かないつもりです。 ※本人は認めたくないようですが、億泰に対し、かなりの信頼を持ちました。 ※ナランチャのナイフ、ミスタがパくった銃【オートマチック式】は護身用にディアボロから渡されました。 ※フーゴの支給品はすべて露伴が所持しています。不明支給品はもうありませんでした。 ※ディアボロに依頼された、ジョルノ・ブチャラティへの『ボスからの伝言』は以下の通りです。 『お前たちの組織のボスの名は『ディアボロ』…… この伝言の主のことだ。 お前たちが元の世界から『トリッシュの護衛任務中』に連れて来られたのだとしたら、恐らく俺は『お前たちよりも僅かに未来』から連れて来られたようだ。 そして、お前たちはわけあって俺と対立し、その結果俺は負けた。 だが、俺は今、お前たちを恨んでいるわけではない。 打倒・荒木を目指すというのなら、お前たちも私と共に戦って欲しい』 ※荒木を倒し全てが終わった後、ディアボロに『記憶を読ませる』という約束をさせました。 ※フーゴの記憶をあらかた読みました 【虹村億泰】 [スタンド] 『ザ・ハンド』 [時間軸] 4部終了後 [状態] 左肩に『ザ・ハンド』で抉られた跡。胸の中央に銃痕(波紋で治療済み) [装備] なし [道具] 支給品一式。(不明支給品残り0~1) [思考・状況] 基本行動方針:味方と合流し、荒木、ゲームに乗った人間をブチのめす(特に音石は自分の"手"で仕留めたい) 1.露伴たちと行動を共にする。 2.エシディシも仲間を失ったのか……。暴れたのはそれが原因か。 3.仗助や康一、承太郎の遺志を継ぐ。絶対に犠牲者は増やさん! 4.もう一度会ったならサンドマンと行動を共にする。 5.吉良と協力なんて出来るか 6.フーゴ嫌い、ジョルノも嫌い、だけど今回は露伴に免じて協力しよう 【備考】 ※名簿は4部キャラの分の名前のみ確認しました。 ※サンドマンと情報交換をしました。 内容は「康一と億泰の関係」「康一たちとサンドマンの関係」 「ツェペリの(≒康一の、と億泰は解釈した)遺言」「お互いのスタンド能力」「第一回放送の内容」です。 ※デイパックを間違えて持っていったことに気が付きました。誰のと間違ったかはわかっていません。 (急いで離れたので、多分承太郎さんか?位には思っています。) ※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました。 ※本人は認めたくないようですが、露伴に対し、かなりの信頼を持ちました。 【川尻早人】 [時間軸]:吉良吉影撃破後 [状態]:精神疲労(小)、身体疲労(小)、上半身全体にダメージ(波紋で治療済み)、右手人差し指欠損、 漆黒の意思、殺意の炎 [装備]:なし [道具]:支給品一式×2、鳩のレターセット、メサイアのDISC、ヴァニラの不明支給品×1(確認済み) [思考・状況] 基本行動方針:荒木を倒したい。吉良吉影を殺す。殺し合いにはのらないけど、乗ってる参加者は仕方ない。 1.とりあえず露伴たちと行動をともにする。 2.吉良吉影を脅し、ウェザーの仇をとるのを手伝わせる。とりあえず思考1を優先 3.吉良吉影を殺す。邪魔をするような奴がいたらそいつも… 4.荒木の能力を解明したい。 [備考] ※吉良吉影を最大限警戒、またエンポリオの情報とディアボロたちとの情報交換を経てディオ、ジョナサン、エシディシ、由花子も警戒しています。 ※ゾンビ馬によって右足はくっついていますが、他人の足なので一日たてば取れてしまう可能性があります。 歩いたり、走ったりすることはできるようです。 ※第二回放送の内容を把握しました。 【パンナコッタ・フーゴ】 [時間軸]:ブチャラティチームとの離別後(56巻) [状態]:気絶中、右手首と左肘に骨折、その他全身に打撲と大ダメージ。ヘブンズ・ドアーによる洗脳。 [装備]:ポルナレフの車椅子(ディアボロに縛りつけられ、身動きが取れない) [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:死にたくない 0.気絶中 1.僕はクソったれの外道野郎だ… 2.僕はブチャラティたちに裏切られてしまった… 3.デスマスクの男の正体がわかった―― [備考] ※荒木の能力は「空間を操る(作る)」、もしくは「物体コピー」ではないかと考えました(決定打がないので、あくまで憶測) ※空条承太郎、東方仗助、虹村億泰、山岸由花子、岸辺露伴、トニオ・トラサルディー、ジョセフ・ジョースターの能力と容姿に関する大まかな説明を聞きました。 ※吉良吉影の能力(爆弾化のみ)を把握しました。しかし、一つしか爆弾化できないことや接触弾、点火弾に関しては聞いていません。 また、容姿についても髑髏のネクタイ以外には聞いていません ※吉良吉廣のことを鋼田一吉廣だと思い込んでいます。 ※花京院とその仲間(ジョセフ・ジョースター、J・P・ポルナレフ、イギー、空条承太郎)の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。 ※アヴドゥルとフェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。 ※装備していたミスタの拳銃は壊されました。 ※荒木がをフーゴに与えた支給品は拳銃2挺と閃光弾3つだけでした。 拳銃は2つとも紛失(一方は大破、もう一方は現在露伴が所持)、閃光弾も使い切りました。 ※D-3地点で手榴弾2個を入手しましたが、使い切りました。 同じく入手したナランチャのナイフも奪われました。 ※デスマスクの男の正体がボス=ディアボロであること、その能力などに気づきました。 ※フーゴの支給品はすべて露伴が所持しています。不明支給品はもうありませんでした。 ※ヘブンズ・ドアーの命令は以下の二点です。 1.『人を殺せない』 2.『ブチャラティに出会うまで気絶する』 ※ミスタの拳銃の残骸は【D-3】に放置されています。 銃身部分がごっそり削られており、使い物になりません。 ☆ ★ ☆ 三人が遠ざかり、しばらくの間続いていた静寂の中、ふいに笑い声が漏れ出した。狂気じみた音色の中に嘲りを多分に含んだ、それでいて愉快で仕方ないと言わんばかりの笑声。 発生源となっているのは青年の生首。死体にしか見えない物体が、これまた無残な姿となった人間の残骸を見ながら声をあげて笑う。シチュエーションが狂っているのならば、彼の口から漏れ出す音からも狂気がにじみでている。 もしも彼に首から下の肉体があったならば、背を丸め、両腕を腹に当てていただろう。そう確信させるほど激しい笑いであった。 彼には笑う余力など残っているはずがなかった。あと少しすればその生命を失ってしまうであろうという極限状況、そんな絶体絶命な状況。 そんな中でも彼は笑わずにはいられなかった。あまりにも滑稽なものを見つけてしまったのだ。あまりにも阿呆なものを見つけてしまったのだ。笑うしか、笑ってしまうしかなかったのだ。 「一体何をしていたんだ私は、本当に何をしていたんだろうか私は」 生首が飛び散った肉片を寄せ集め、道路に落ちていた無数の影が闇夜の中でゆっくりと混ざり合っていく。 「此処に来る前にDアンGを殺した。一片の後悔もなく、一切の躊躇なく」 出来上がった肉塊の中に生首が沈んでも、その笑い声は絶えること無く響き続ける。 「どうしてそれができたかって? 簡単だ、アイツがジョリーンの敵だったからさ」 ドーム状であった塊が重力に逆らいながら上へと伸び円柱へと姿を変えた。 「そうだ、ここでもそうだった。今まで殺してきた奴らが敵じゃないって思ってたから余計な心労を負ってしまったんだ。 でも違う。他の連中が生きてたらジョリーンは生きられない。つまり……敵ってわけだ」 上端から顔が生え、後に手足が生えてくる。 「敵ならば殺せばいい。こんなシンプルな答えが落ちてたなんてな」 生えてきた手足の先が枝分かれしてゆき、指を創りだした。 「自分を捨てるだのケジメを付けるだの、ずいぶん瑣末なことに時間と精神力を図分と浪費させられたもんだ」 形は人のものであろう。しかし、人の肉を継ぎ接ぎにして生まれたその姿。 「ジョリーンはまだ他の連中が敵だって思ってないからな、事情を分かってないなら彼女に嫌われてってしょうがない」 月明かりに照らされる、ドロドロに溶けていた肉の塊。 「さぁ、彼女の代わりに敵を皆殺しにしに行こうじゃないか」 ――――怪物が産声を上げた。 【F-3北西部、マイク・Oとスカーレットの死体前/1日目 真夜中】 【F・F】 [スタンド]:『フー・ファイターズ』 [時間軸]:DアンG抹殺後 [状態]:継ぎ接ぎの肉体 [装備]:なし [道具]:名簿、地図、携帯電話(全て体内に所持) [思考・状況]: 基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる 1.ふ っ き れ た 2.ケジメを付ける必要も自分を捨てる必要もなかったんだ 3.他の参加者はジョリーンの敵だから殺す 4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断 5.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい 6. もしも荒木が倒せるならば対主催に益がある方法で死ぬ [備考] ※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます。 ※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いていません。 ※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報はアレッシーの記憶よりこちらを優先) ※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……? ※ダービーとアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。 ※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱く、スタンドを使えると認識しました。 (太陽光が致命傷になることも把握) ※自分の能力について制限がある事に気がつきましたが詳細は把握していません。 ※ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。 ※参加者の時間のズレを何となく理解しました。 ※アナスイが、脱出は不可能だと知ったときに殺し合いに乗りうるという事を把握しました。 ※ティッツアーノとダービーのものであった肉片がF-3に散らばっています。 ※ダービーの肉体は大半が焼失しました。 ※FFが捨てた支給品(デイパック×2、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、カップラーメン)がF-3南部に落ちています。 ※テレンスの顔は見ていません。 ※ティッツアーノの生首の中で生存しています。首の付け根から車輪を生成して移動しています。 ※第三回放送を聞きましたが、意識が朦朧としているので内容を把握しているかは微妙です。 徐倫、アナスイの名前が呼ばれていないこと、プッチの名前が呼ばれたことだけは確認しています。 →禁止エリア及び作動時間を正確に把握できませんでした。 ※復活しましたが、現在は人の形をした肉塊の状況です。まともな外見にしようと思えばできると思いますがするかどうかは次の方にお任せします 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 192 迷える奴隷 その④ 虹村億泰 202 さようなら、ギャングたちⅠ 192 迷える奴隷 その④ 岸辺露伴 202 さようなら、ギャングたちⅠ 192 迷える奴隷 その④ 川尻早人 202 さようなら、ギャングたちⅠ 192 迷える奴隷 その④ パンナコッタ・フーゴ 202 さようなら、ギャングたちⅠ 197 朧車 F・F 202 さようなら、ギャングたちⅠ
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意外! 神の右手ヴィンダールヴ 人気の無い森の中までやって来た承太郎は、タバコに火を点けた。 「おめーも吸うか?」 「いや、俺は遠慮します」 とりあえず適当な岩に承太郎は腰掛け、仗助は木の根の上に座り込んだ。 「さて……何から話すべきっスかね~……」 「まずてめーが何者なのか教えてもらおうか」 「はあ……その前に一個確認させてください。今年は西暦何年でしたっけ?」 「……1989年だ、俺がこの世界に召喚されたのはな」 「そ~っスか……俺もです。参ったな、どう説明すればいいのか……」 難しそうに頭を抱える仗助。 どうやら『いきなりハルケギニアに召喚された』という訳ではないらしい。 破壊の杖の持ち主や、シエスタの祖父のように、偶然この世界に紛れ込んだのか? 「だったら答えやすいよう質問する。お前はどうやってこの世界に来た?」 「サモン・サーヴァントです。ロマリアの……えー、とある人に召喚されました」 なぜか自分の召喚者を隠す理由を承太郎は推測してみる。 「まさか……虚無の担い手か? お前を召喚したのは」 「さすが承太郎さん、話が早いっス。 そういう訳で誰が俺を召喚したかは訊かないでください、虚無の担い手って知られると俺の主の人も色々迷惑すると思うんで……」 「となると、てめーは虚無の使い魔……という訳か」 仗助は右手の手袋を外して、使い魔のルーンが刻まれた手の甲を見せた。 「神の右手ヴィンダールヴ……能力はあらゆる獣を操る事。 そして俺のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの能力は、触れた物を『直す』……人だろうが物だろうがお構いなく」 そう言いながらスタンドを出現させた仗助は、地面に落ちていた石を拾うと、クレイジー・Dの拳で粉砕する。 しかし粉々になった石は、時間が逆回りするかのように元通りの形に戻った。 「……手の内をそう簡単にバラしていいのか? 仗助」 「別に構わないっスよ~。承太郎さんの能力もバレバレですから」 「……何ッ?」 「時間を数秒間止め、止まった時の中を動く……。知ってる人は知ってます」 まるで自分以外にも知っている人間がいるというような物言いに、承太郎は警戒心を強めた。自分の能力を知る何者かが情報をばらまいているのか? ワルドと、操られたウェールズの事を思い出したが、二人とも時間が止まった事は理解していないようだった。 他に時間停止を見せた相手はキュルケとタバサくらいのもの。 いったいどこから情報が漏れたのか? それは、自分の事を知っているような態度を取るこの東方仗助からではないか? 果たして仗助は敵か? 味方か? 「知っているなら話が早い……。てめーが怪しい素振りをした瞬間、時間を止めてスタープラチナを叩き込む」 「ちょっ、待ってくださいよ~ッ。俺は別に承太郎さんと敵対する気はね~んスから。 むしろ味方です! 日本に帰るために協力し合いたいと思ってんでスよ?」 「だったらてめーが何者なのか正直に喋ってもらおう。 虚無の使い魔だという事は解った。だがそれだけじゃあねーだろう?」 頬杖をついて仗助は溜め息を吐いた。 「信じてもらえるか自信無いけど……ぶっちゃけると俺は承太郎さんの叔父です」 「叔父……だと……?」 「ジョセフ・ジョースターが日本人女性と浮気して産まれたのが俺です。 いわゆる隠し子。この件はジョースター家は『まだ』知りません」 仗助の言葉を信じるなら、祖父ジョセフは承太郎がホリィから生まれた頃に、他の日本人女性に子供を生ませていた事になる。 ほぼ同い年の叔父という存在は実に奇妙なものだった。それが真実ならだ。 「……確かにじじいの面影はあるが……信じると思うか? そんな話……」 「そうなんスよね~……それが俺も疑問なんです。どうすれば信じてもらえるか。 という訳で俺の生い立ちとか色々話したいんですけど、いいですか?」 「……話してみな」 仗助はS市杜王町に住んでいて、そこにはスタンド使いが大勢いると話した。 その原因はスタンド能力を発現させる『弓と矢』の存在。 かつて『DIO』がそれを使い部下を増やしていたらしい。 その『弓と矢』は日本にも存在し、杜王町に様々な事件を起こした。 アンジェロに殺された祖父。虹村兄弟と父親。矢に貫かれた広瀬康一。 弓と矢を強奪したレッド・ホット・チリ・ペッパーの音石明。 スタンド能力に目覚めた二匹のネズミをハンティングに行った事。 漫画家の岸辺露伴に、幽霊の杉本鈴美。 重ちーという友人の死と、シンデレラの能力。 そして吉良吉影という殺人鬼と、写真の親父が持つふたつ目の弓と矢。 「……話が見えねーな。『弓と矢』の話は興味深いが、 てめーの武勇伝を自慢したいなら後にしてくれ」 「まーまー、これが結構重要なんです。 それにスタンド使いの情報は知っておいて損は無いっスからね」 承太郎の異論を軽く流して仗助は話を続けた。 吉良吉影のスタンド能力、川尻浩作の顔や指紋を得ての逃亡。 新たに弓と矢に貫かれた刺客達と、成長した吉良吉影との決着。 「とまあ色々あった訳ですが、この時杜王町には頼もしい助っ人がいたんです。 その助っ人のおかげで命を救われたっつーか勝つ事ができたって感じっス。 助っ人の名前は……空条承太郎。一連の事件は1999年の夏の出来事です」 突然話がぶっ飛んだ。 スタンド使いの話をしていたかと思ったら、なぜか未来の話になっている。 さすがの承太郎も困惑し、仗助の頭がおかしいのではとまで思った。 「さっき……話しましたよね、吉良吉影のバイツァ・ダスト。 1999年の秋、あれと似たようなスタンドに出会った俺は、承太郎さんがDIOを倒すために旅をしていた時代に飛ばされました。 そこで過去の自分を救い……1999年までどうすごすか考えていたら、このハルケギニアに召喚されちまった……これで全部です」 「……本気で言っているのか?」 「本気です。歴史を変えるなんてグレートな問題、承太郎さんがどう考えるか解んなかったもんですから先に話させてもらいました。 これで……日本に帰る事ができたら、1999年の夏の出来事を変えられる。 虹村形兆や重ちーだけじゃなく、多くの人が死なずにすむんです。 知っちまったからには……見過ごせませんよね? 少なくとも弓と矢は二本も回収しね~とかなりヤバイ事になります」 承太郎は無言で、しかし拳を握りしめ仗助を睨みつけていた。 最初から正直に話していれば、確かに未来の話なんて聞かなかったかもしれない。 しかし1999年の未来を案じ真剣に聞いたかもしれない。 重要なのは、仗助が騙まし討ちのように真実を最後に明かした事だ。 「騙すような真似してすみません。でも……ダチを死なせたくないんスよ」 だが仗助のこの言葉が承太郎にIFを想像させる。 もし自分がエジプトへの旅へ行く前に戻る事ができたなら、どうする? 敵のスタンド能力や攻略法まで知り時を止める事が可能な自分なら、花京院、アヴドゥル、イギーを死なせずにDIOを倒せるのではないか? 死んでしまった命は決して戻らない……しかし、戻って欲しいと思ってしまうものだ。 「やれやれ……作り話にしては出来すぎだ。正直信じ難いが……証拠はあるのか?」 「えっ、証拠っスか?」 「てめーがじじいの隠し子だとか、1999年から来たという証拠だ」 仗助は慌てて学ランのポケットを探り、財布や学生証を取り出した。 「学生証……レシートもあります。1999年って書いてある……けど」 「こんなもん偽造しようと思えば簡単だが、まあ無いよりはマシか。 それと仗助、てめーはじじいの息子だと証明する方法を知らないのか?」 学生証とレシートを確認しながら、仗助の観察を怠らずに承太郎は問う。 「DNA検査とか戸籍とか……日本に帰らないとちょっと無理っスね」 「……首の背中の付け根を見せてみな」 「首の……? はあ、解りました」 何の事だか解らないといった表情をしながら、仗助は素直に学ランを半分脱いで首の背中の後ろを見せた。 「これでいーんスか?」 「……なるほど。じじいの息子かどうかはともかく、ジョースターの血統なのは間違いないらしい」 「へ?」 仗助の首の付け根にあったのは星型の痣。 ジョセフ、ホリィ、承太郎、そしてDIOが奪ったジョナサンの肉体にもあった物だ。 それを説明してやると仗助はかなり驚いていた。本当に知らなかったらしい。 ついでにジョースターの不思議な血の波長でお互いの位置が漠然と解る事も話すと、仗助はさらに驚いて、その感覚を認識してみようと目をつむって念じたりした。 「だがまだいくつか疑問がある。話を聞く限り……おめーは俺の味方。そうだな?」 「もちろんっスよ。承太郎さんの判断力も、無敵のスタープラチナも頼りにしてます」 「だったらなぜ……俺の能力が仗助以外の奴も知っているような言い方をした? まさかてめーが言いふらしたんじゃねーだろうな」 「え? ああ、そうか。虚無に関してはあんまり情報持ってないんでしたっけ」 仗助はちょっとした優越感を持ってニヤニヤと笑った。 尊敬している承太郎より何かが秀でているというのは、何気に嬉しいものである。 「これはこの世界で虚無に関わる以上、非常に重要な問題です。 確かに承太郎さんの能力は俺が召喚者に説明しました……。 でも、承太郎さんの能力に『その人が気づいたから』から説明したんです」 「どういう意味だ?」 「虚無の担い手は、虚無の使い魔の持つスタンド能力の干渉を受けない」 仗助は真剣な表情になって言い、承太郎は目を見張る。 時の止まった世界を認識して動いていたルイズだが、認識とか動くとかいう問題ではなく、ルイズの時間は止められなかったとしたら。 「承太郎さん、こっちの世界に来て何度か時間を止めてますよね? 俺の召喚者はそのたび、時間の止まった世界の中を動いています。 最初は戸惑っていたようですけど、その事を俺に相談してきて……すぐ解りました。 承太郎さんがハルケギニアに召喚されて時間を止めた……と。 ちなみにクレイジー・Dの『直す』能力も、俺の主には効果がありません。 そして……もちろん時間を止める能力は、もう一人の虚無にも知られています」 「もう一人の虚無だと?」 「ガリア王ジョゼフ。名前が俺達の身内と似ていてアレですけど、うちの召喚者はガリア王が虚無の担い手だと睨んでます。 この事も黙ってろって言われてるんで、くれぐれも秘密にしてください。 一応俺は主と結構友好な関係を築けてるんで……」 「……やれやれ、今度は虚無について聞く必要があるようだな」 「とはいえ、喋りっぱなしでちょっと疲れましたね。一度戻って何か飲まないっスか? ルイズさんにも虚無の話はしといた方がいいだろうし……」 「……そうだな」 承太郎はタバコを消すと、仗助と一緒に天幕へと戻ろうとした。 が、その前にもうひとつ、ルイズのいない今聞いておきたい事を思い出す。 「虚無の使い魔は……虚無の担い手にとって都合のいい行動を取るようにできてるのか? 本能的に虚無の担い手を守ろうとしたり、そいつの力になってやろうとしたり」 「さぁ……どうでしょうかね~? 俺は特にそういうのは感じませんけど。 最初は勝手に召喚されてムカついたものの、元の世界に帰れるよう手を尽くしてくれてるし……こっちもそれに協力しねーと」 「……そうか」 「何か気になる事でもあるんスか?」 虚無の詠唱を聞いて高揚感や安堵を感じる自分。 この世界にいる理由を見出した途端、迷わずそれを選んだ自分。 ルイズを守り戦ってきた自分。 どこからどこまでが自分の意思だったのか……。 「いや、別に……」 「はあ。まあ後でまたじっくり情報交換すりゃ~いいか」 二人が天幕に戻ると、生還した竜騎士隊が酒盛りして大暴れしていた。 「ちょっと、こいつ等どうにかしなさい!」 完全にプッツンしたルイズに渋々従い、承太郎と仗助は結構しんどい目に遭うのだった。